この本は、タイトルの「若返りの科学」ということもあり、若返るとはどういうことなのか?色々な角度から考察し、科学的に追求されています。
著者は、感染免疫学や熱帯医学、寄生虫学を専門とされている藤田紘一郎先生という方です。
人間を若返らせ、寿命を伸ばすような因子は、複雑かつ複合的に絡み合っていますが、専門的な言葉を用いながらも、非常に分かりやすく解説いただいています。
また一つ一つが科学的に裏付けされているので、納得感満載です。
漫画の要素も含まれているので、文章が少し苦手な方にも是非読んでいただきたい本となっています。
それでは、この「若返りの科学」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「若返りの科学」の要約
長寿遺伝子が存在するということをご存知でしょうか?
長寿遺伝子というのは、老化のスピードをコントロールする遺伝子のことで、長寿遺伝子が働いている人は、見た目も若々しく健康的であるというのです。
そしてこの長寿遺伝子と双肩をなし、老化に関わるものの一つにテロメアがあります。
寿命の75%は環境要因で決まるとも言われており、誰でも日々の生活から努力することで、長寿遺伝子とテロメアを制御できるのです。
この本では、長寿遺伝子とテロメアを軸に置きながら、より深くより科学的に老化を防ぐ方法を、幅広い観点から述べられています。
若さを保つ食材、老いさせる食材をグラフィックで簡単に知ることができ、そして老化の元凶についても学ぶことができます。
長寿は遺伝子で決まるのではなく、生活習慣を見直すことから始まります。
もう一度言います。
長生きするための源は、生活習慣の改善です。
衝撃!!顔が老けていると寿命が短い??
衝撃の事実です。
見た目の年齢とテロメアなどの長寿バイオマーカーの関連性があるという研究結果が発表されたとのことです。要するに、老けて見える人の方が、早く亡くなってしまうということです。
もう、すぐにでも生活習慣を改善し、日々の生活から老化の要因を取り除いていきたいと思ってしまいますね。
老化を防ぐKeyとなるのは、すべての人が持っているサーチュインという長寿遺伝子です。
普段の生活では不活性なので、この長寿遺伝子を働かせるにはスイッチをオンにする必要があります。
オンにする方法はこちらです。
・適度な運動(インターバル速歩、おしり歩き)
・カロリー制限(腹八分目)
・抗酸化成分「レスベラトロール」を摂取
もちろんカロリー制限だけでは、寿命を延ばすことはできませんので、全てをバランスよく実施する必要があります。
レスベラトロールというのは、ブドウの果皮やピーナッツの薄皮、赤ワインなどに含まれているそうです。
まとめると、適度な運動をしながら、炭水化物や脂肪を含んだ食事を食べすぎないようにし、さらにレスベラトロールを摂取し、総合的に正しい生活習慣で過ごせ!ということです。
- ファイトケミカル(植物性化合物)→ ポリフェノール、カロチノイド、硫黄化合物、テルペン類、βグルカン
- 発酵食品 → 納豆、漬物、みそ、ヨーグルト
- お水 → アルカリ性でカルシウムが多く含まれた硬度が高めで抗酸化力のある水
- お酒は赤ワイン → レスベラトロール
白米、砂糖、小麦粉
イメージ通りですが、炭水化物の白米や小麦粉はよくなさそうです。
血糖値が高くなることで、体の組織が糖化され、体全体が老化に向かってしまうのです。
少なくとも炭水化物はよく噛んで食べる必要があります。
また、老化の元凶としてAGEや果糖(フルクトース:トウモロコシ由来)を挙げられています。
AGEとは、タンパク質と糖質から最終的に生まれる物質の総称でゴミタンパクと呼ばれることもあるそうです。
食物を焼いたり揚げたりするとできる焦げ、または焦げ色のものがAGEです。特にフライドポテトは、AGEのなかでも最凶なアクリルアミドと呼ばれる発癌物質を含んでおり、最悪です。
果糖は主に清涼飲料水のことで、かなり日常に馴染んでいてよくないですね。
- ファストフード
- 干物
- レトルト加工された肉製品
- 揚げなおしたフライや天ぷらなど
他にも寿命の回数券であるテロメアを短くさせないためにはどうすればよいか?長寿ホルモンとして注目されているアディポネクチンの摂取方法など多岐にわたり記載されているので、参考にしてみてください。
@感想
非常にコンパクトにまとまっていて、グラフィックも多いので科学的な本なのに分かりやすいと感じました。
若さを保つための食材や老化の原因になる食事など、網羅的に重要な情報を入手できるのでとても参考になると思います。
ただ大好きなフライドポテトが老化の要因とは、、
まあダメだろうと、分かっていたんですけどね、、分かっているけれども気づかないフリをしていました。以後、気をつけます。
こんな方におすすめ
・長寿の方法を知りたい方
・長寿に関わる因子をまとめて学びたい方
・分かりやすい科学的な本を探している方
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