この本は、肉体・精神・頭脳のパフォーマンスを最適化を目指すバイオハックというライフスタイルに関する書籍です。
著者は、実際に最新科学に基づいた健康法を実践し、「バイオハッカー」といして活躍されている井口晃さんという方です。
バイオハックとは、欧米の健康意識の高い人たちの間でトレンドになっているみたいですね。
この本では、井口さんご自身の経験から効果があったメソッドをまとめて紹介してくれています。
それでは、この「バイオハック」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「バイオハック」の要約
2016年にOECDが健康について行った調査では、「自分は健康だ」「自分は非常に健康だ」と答えた日本人は、約3人に1人。
つまり日本人の7割弱ほどが、不調を感じているということです。これはOECD35カ国中34位という結果です。
日本人は、いつも疲れていてパフォーマンスも生産性も下がっているのです。
この改善策が「バイオハック」ということです。
このバイオハックは、欧米を中心に世界的なムーブメントとして広がりつつある最先端のライフスタイルです。
人の体は千差万別であり、健康に対する答えも一つではありません。
この本では45のバイオハック方法が紹介されており、自分自身に合ったものや関心をもったものを簡単に取り組めるようになっています。
大事なことは、ストレスを感じることなく続けることです。
健康なくして成功なし!
バイオハックとは?
バイオハックという考え方は、健康意識の高いビジネスパーソンの中で常識的になってきているようです。
「これがいい」という方法論やエビデンスを目にしたら、すぐに自分の体で試し、ポジティブな変化が現れたら続け、そうでなければ止めて別の方法を試す。
これを繰り返しながら、自分の体にとってのベストアンサーを探り、肉体、精神、頭脳のパフォーマンスの最適化を目指す方法をバイオハックと言います。
何より病気になってからでは、できることに限界があります。
まずは、予防が重要であることを認識し、ハイパフォーマンスを保つためには健康意識を高め、実践することが不可欠なのです。
バイオハックするには、相応の知識が必要になります。
ただ片端から「健康に良い」とされていることを試すのではなく、人の体のメカニズムや医療に関する基礎知識に基づいて、自分で自分の体をマネジメントするということです。
この本ではバイオハックを下記のように定義しています。
- 生体検査を受けて自分の体の状態を知る
- 科学的知見に基づいた手法を取り入れる
- 様々なハックを取り入れることで、パフォーマンスを最適化する
バイオハックの5原則
- 3週間は続けること
- 記録をつけること
- ストレスなく続けること
- ジャンクフードを置き換える
- メリットとデメリットを天秤にかける
バイオハックの実践
この本では、45個のバイオハック方法が紹介されています。
全てを実践できるかできないかは置いておいて、知っておくべきことが多いと感じました。
ここでは、6つほどピックアップしてみたいと思います。
遺伝子検査
まずは遺伝子検査です。
体がどれくらい強いか、どういう病気になりやすいか、どういうダイエットが適している体質か、どういうスキンケアが向いている肌質なのか、糖質制限が向いているのか、まで分かってしまうのです。
代表的な検査キッドは下記2点。
- 23andMe(グーグル)
- Genesis2.0(ジーンライフ)
検査は唾液を採取して検査機関に送るだけです。
検査期間は、1ヶ月程度、費用は数万円程度とのこと。
検査することで、自分の遺伝子タイプが分かります。
それにより、今後の人生で自分の体質に適した食生活や生活習慣を取り入れることができるのです。
おそらく健康にとってプラスしかないでしょう。
スーパーフード
スーパーフードとは、一体何なんでしょうか?
厳密に決まりがあるわけではないですが、端的に言うと、健康にいい成分を含み、低カロリーの食品です。
例えば、
- チアシード
- アサイー
- カムカム
- ヘンプシード
- カカオ
- ブロッコリースプラウト
- クコの実
- スピルリナ
- マカ
- ココナッツ
- モリンガ
などです。
それぞれに特徴的な成分や効果があり(食物繊維、抗酸化作用、血行促進、疲労回復、ミネラル・ビタミンが豊富)、健康に良いとされています。
これらのスーパーフードを日常の食事にミックスするだけで健康度が上がると言うわけです。
ボーンブロス
ボーンブロスとは、牛や鶏、魚の骨からとった「ガラスープ」のことです。
昔から、おそらくどんな国や地域にもあるポピュラーな料理ですが、じつは近年、そのボーンブロスに、大きな健康効果が期待できることが分かってきたのです。
ボーンブロスには、下記のような成分が豊富に含まれています。
- アミノ酸
- コラーゲン
- グルコサミン
- コンドロイチン
- ヒアルロン酸
- 各種ビタミン・ミネラル
良いことの多いボーンブロスですが、最も注目されているのが腸へのメリットなのです。
上記の成分が腸粘膜の強化・修復や炎症の抑制に役立ち、腸内環境を整えてくれるのです。
サプリメントとして製品化されているのもあるので、検討の余地ありです。
水分補給
「人体の60%は水」なんていうまでもなく、水の重要性は周知のこと。
体内の水分のうち、約3分の2は細胞をみずみずしく保つ細胞内液となります。
そして残りの約3分の1は血液やリンパ液となって、酸素やホルモン、栄養素などを各細胞に運搬する、各臓器から老廃物や不要物を回収して腎臓に運ぶといった重要な役割を担っています。
水分不足は熱中症の他にも、血液の粘性が高くなり、血管が詰まりやすくなることで脳梗塞や心筋梗塞の要因にもなりうるといいます。
水分摂取量の基本はこれです。
「体重(kg)× 4.5%」の水分(ℓ)
生きていく過程で自分にとっての最適な量の水を探ることも大切です。
熟睡習慣
夜、よく眠れる習慣は「朝」にある。
眠りにつくと、脳下垂体から「成長ホルモン」というホルモンが分泌され、脳や体の細胞の修復を行います。
この成長ホルモンが非常に重要で、寝ている間に代謝を高めてくれるのです。
代謝とは、「エネルギーを消費する」ということなので、質の良い睡眠によって成長ホルモンが十分に分泌されている体は、「太りにくく、やせやすい」ともいえるのです。
睡眠の質を上げるためには、リズムを守ることです。
人間を含む生物は、朝は太陽光を浴びて活動的になり、夜、暗くなると言う具合に、周囲の明暗によって、自分の体をサーカディアンリズムに同期しているのです。
このリズムを保つために最も重要なことは、朝はちゃんと起きて朝日を浴びることなのです。
- 朝は太陽の光を浴びながらウォーキングする
- 夜は暗くして就寝する
腹八分目
昔から「腹八分目」という言葉があるように、「満腹より少し足りない」くらいが健康的とされてきました。
これは人でもマウスの研究でも科学的にも実証されていることなのです。
飽食時代に生きる現代人にとって、もっとも気をつけるべきは高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病であり、生活習慣病は肥満から連鎖的に起こります。
つまり、肥満を招くためにカロリーを適度に制限することが、健康寿命に大きく寄与するというわけです。
腹八分目の健康長寿効果は、長寿遺伝子と言われる「サーチュイン遺伝子」からも説明できます。
このサーチュイン遺伝子を活性化させることが、腹八分目と関係しているのです。
重要なことは、サーチュイン遺伝子は「空腹の状態」で目覚め、活性化するとされているからです。
腹八分目を実践するために、
- よく噛んで食べる
- ベジファーストをくせにする
- 野菜をふんだんに摂る
- 外食での注文は少なめに
@感想
健康になるための方法、いわゆるバイオハックが多く紹介されています。項目毎に分かれており、気になるポイントも把握しやすく、かつ非常に分かりやすいです。誰にでも即実践できるので、めんどくさがりの方にもおすすめかもしれません。バイオハックという概念は、日本でも流行るかもしれないですね。
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