この本は、栄養学的に正しい「食」に関して紹介してくれている書籍です。
著者は永井竜児さんという方で、東海大学農学部の教授でもあり、日本メイラード学会、国際メイラード学会、日本抗加齢医学会、日本酸化ストレス学会等の評議員も務めるスペシャリストです。
健康長寿になる新常識や病気にならないための栄養学などをまとめて学ぶことができるありがたい本かなと思います。
それでは、この「間違いだらけの栄養学」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「間違いだらけの栄養学」の要約
「糖尿病とは、血管の老化である」
食事や食材による健康法は、多くの情報があふれています。
しかし、その「常識」は、本当に合っているのか?思い込みや古い研究・情報で間違ったやり方をしているのかもしれない。
そして、サプリメントや機能性食品に頼らなくても、普段の食材や調理のちょっとしたコツで、健康になれるのです。
この本では、著者の永井さんが老化についての最前線の研究結果をもとにしながら、栄養学と医学の常識についてを紹介しています。
健康づくりの方法は、特別な食事やサプリメントを摂取しません。
トマトなど、日々口にする食材を使って、食事も運動もふだんの生活の中で気軽に改善策を取り入れ、意識し習慣化することで、病気にならないようにするものです。
全ての基本は自分自身の健康であり、家族の健康です。
正しい知識を身につけて健康長寿を目指していきましょう!
老化を防ぐための常識
医者より管理栄養士の話を聞け
重篤な病の引き金になるのは、多くが「糖尿病」です。
日本人の死亡原因は、がん、心不全、脳梗塞などが知られていますが、糖尿病の原因である可能性大いに考えられるのです。
糖尿病が悪化することによって、死亡に直結する病気につながってしまうということです。
その中でもポイントとなるのは、「血管の老化」です。
簡単に解釈するとこれらは、血管が損傷し、血行が悪くなることによって起こるとされます。
血管の病気は、病気の状態になる前の対策・予防医学が大事になります。
糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病は、進行してからでは遅いです。
病気の進行を妨げるためにも栄養学が大事になるのです。
そこで真打登場ということです。
栄養のスペシャリストといえば、管理栄養士。
しかし管理栄養士にも問題があります。
- 日本には約20万人しかいない
- 海外比べると社会的地位が低い
- 給料がそんなに高くない
- なりたい人がどんどん減っている
などです。
現状医学部などでは、予防医学としての栄養学が軽視されているところがあり、ますます管理栄養士が重要になるところですが、、、
老化の原因「AGEs」
今、AGEsが糖尿病合併症のマーカーになるのではないか、と医学界から注目を集めているようです。
そして何よりAGEsは、老化関連疾患の発症や進展に関わっています。
体内でAGEsができると、このようになります。
- 炎症反応を促進
- 腎症・動脈硬化を悪化
- 血管障害を起こす
不健康な老化とAGEsの蓄積は関係してしまいます。
つまり、AGEsを体にため込まないことが大切で、そのために予防医学の栄養学が必要というわけです。
〜色々な開発品〜
- AGEsを簡易的に測れるAGEsセンサ(シャープと共同開発)
- AGEs阻害剤「マンゴスティア」サプリメント(日本新薬が開発)
- AGEs阻害財「サンテウェルビジョン」サプリメント(参天製薬と共同開発)
AGEs を対象とした研究や商品は今後も進展してくでしょう。もちろんそれだけに頼るのではいけません。
冒頭でも記載した通り、これからは、予防医学の浸透と強化、そして管理栄養士が要です。
トマトパワーを体感しよう
トマトといえば「リコピン」ですね。
リコピンには、強い抗酸化作用を持っており、がんや脳卒中、心臓病などの生活習慣病予防に効果的だと言われています。
体に良いことは間違い無いですが、実際のところトマトに含まれるリコピンの含有量はとても少ないのです。
そこで注目されているのがこの成分。
エスクレオサイドA
トマトには、リコピンよりも多く含まれています。
詳細なメカニズムは省きますが、この効果を簡単にいうと動脈硬化の予防です。
血管の老化を予防してくれる健康の味方というわけです。
- リコピン → 抗酸化作用
- エスクレオサイドA → 動脈硬化の予防(コレステロールを抑制)
毎日ミニトマトを3個食べるだけ
@感想
この本のメッセージは、「病気の予防については、医師じゃなくて栄養学に詳しい人間に聞け!」ということだと思います。あとは、トマトのパワーを信頼しましょう!ということ。日本の現状として管理栄養士が不足していることもあり、自分自身で最低限の知識をつけておくことも必要かなと感じました。
コメント