この本は、タイトルの通りダイエットに関する書籍です。
著者は、福島県立医科大学医学部病態制御薬理医学講座主任教授/医学博士・医師・元・英国オックスフォード大学生理学・解剖学・遺伝学講座/遺伝子機能センターシニア研究員である下村健寿先生という方です。輝かしい経歴ですね。
世界ナンバー1大学に君臨する英国・オックスフォード大学で活躍した先生が、いくつもの研究や最新知見から最高のダイエット法を考案したものです。
それでは、この「オックスフォード式 最高のやせ方」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「オックスフォード式 最高のやせ方」の要約
まず重要なことは、「すべてのダイエットは、失敗するようにできている!」ということです。
問題点は2つあります。
- 体重は減るが、健康を害する
- 一旦ダイエットに成功しても、減量した体重を維持できない
代表的な14のダイエット方法の効果を検証した研究結果では、ダイエット開始6ヶ月の時点では、全てのダイエット体重減少効果があったことが確認されました。
しかし、そのすべてのダイエット法において、1年後にはその効果がなくなっていることが確認されているのです。
この本で紹介するダイエット法は、健康的にやせた体を手に入れて、さらに永遠に維持する方法です。
過去に実施したダイエットがなぜ失敗したのかを、科学的に検証し、その原因をみつけダイエットの闘いに勝っていきましょう!
やせるためには、ダイエットの本質を知ろう
色んなダイエットを検証
多くのダイエットは、短期間に体重が減ることを売りにしていますね。
ただ急激な変化というのは、体に不必要な負担を強いることになるということです。
なんとなく良くない気がしますね。
また急激な体重減少というのは、ただ単に水が抜けただけということもあるようです。
そりゃリバウンドしてしまうでしょうということです。
それでは代表的なダイエットの問題点を見ていきましょう!
糖質制限ダイエット
基本的に現代人は必要以上に炭水化物を摂取しているのは事実で、それを「適正量の糖質摂取に是正する」と言う意味でも糖質制限についてはありです。
ただ、糖質制限ダイエットと謳われている方法は、かなり過激なやり方なようです。
一般的に体内でエネルギー産生のためには糖新生が行われますが、過度な糖質制限を実施すると糖新生が行われる主な臓器である肝臓が肥大していまうのです。
臓器が大きくなる→過度の負荷が臓器にかかっている
この糖質制限ダイエットを提唱した先生も減量には成功したけど、晩年にはうっ血性心不全と高血圧に悩まされ、72歳でお亡くなりになったようです。
間欠的ファスティングダイエット
最近流行のファスティングはどうでしょうか?
間欠的ファスティング = 1日おきに絶食を行い、食べて良い日は好きなだけ食べて良い etc
(いくつか方法があります)
これも確かにダイエット効果のある方法とされています。
ただ怪しいのは、このダイエットを検証した研究の対象が非肥満者だったということです。確かに減量できるけれども、そもそも太っていない人やん!ということです。
またファスティングダイエットに逆風となる研究報告も発表されてしまいました。
それは、1日おきに断食を行った場合、「ぽっこりお腹」の原因である内臓脂肪を逆に維持することになるということです。
これは衝撃です。
そもそもメタボ気味の人は、ファスティングしても意味がない可能性があるということです。
究極のダイエット理論
運動をする
非常にシンプルですが、運動をすることが重要です。運動の効果は年齢に関係なくきちんとあります。
運動法 = 脂肪酸をエネルギー源として使う強度の低い運動を長時間続けること
この運動法のポイント
- 30分程度続けることで脂肪酸が消費される(ウォーキングなど)
- 空腹時の運動が贅肉を消費させる(例:朝食前)
- 3ヶ月以上継続する
朝食前の血糖値が低い状態で運動することで、筋肉内のグリコーゲンの量を減らすことが大切なのです。
グリコーゲンが少ない状態で運動を続けることで、筋肉は糖質より脂質を使いやすい状態に変化していきます。
つまり空腹時の運動は、エネルギー源として脂肪酸への依存度が高まり、脂肪が減っていくと言うロジックなのです。
食事の方法
この本では、食事については制御の難しい欲求ということもあり食事制限については言及されていません。
ただ食べ方のコツについて紹介してくれています。
- 早食いをしないこと
- 寝る3時間前までに夕食は済ませる
- 食べる順番を工夫する(ベジファースト)
- お酒飲んだ後のシメは絶対NG
この本で紹介されたダイエット法は、急激に体重が減るものではありません。しかし、この方法ならばリバウンドはしません。
まさに食事制限なしの持続可能なダイエットというわけです。
@感想
この本のポイントは、体内の代謝メカニズムを理解した上での「運動」だと思いました。薄々感じてはいましたが、結局大事なことはシンプルなことを継続していくと言うことかもしれません。ダイエットに取り組む方や一度ダイエットに挑戦してリバウンドを経験された方などは、是非参考にしてみると良いかと思います。
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