老化を防ぐ抗酸化作用の効果を分かりやすく解説!

「抗酸化作用が期待できます!」とか「抗酸化作用あります!」などという食品表示を見たことある人は多いと思います。
健康に良さそうだけれども、そもそも「抗酸化作用」とはなんなんでしょうか。
みなさんに知っておいてほしい、「抗酸化作用」についてご紹介したいと思います。

目次

抗酸化作用とは?

抗酸化作用とは、体を老化させたり、病気を引き起こしたりする「活性酸素」の働きを、予防したり防いだりする働きのことです。

活性酸素とは、普通の状態よりも酸化力の強い酸素で、体内で免疫機能に関する重要な役割を担っている大事なものです。

しかし、体内で活性酸素が増えすぎると、さまざまな物質と反応し、酸化させて、細胞にダメージを与えたり、老化を促進したりします。するとそれが原因となって、動脈硬化やがん、免疫機能の低下など、さまざまな病気や障害を引き起こしてしまいます。

この活性酸素の増加を防ぐのが、抗酸化作用ということです。

野菜や果物の多い食事は抗酸化物質の宝庫であり、健康に良いということがわかっていますが、研究によって抗酸化サプリメントによる病気の予防効果が示されているわけではありません。

また、抗酸化作用は20代をピークとして、加齢とともに低下していってしまうのです。そのため、普段の食事によって、抗酸化作用をもつ栄養素を摂取することが健康のために大切になります。

活性酸素 = 通常の酸素より酸化力の強い酸素のこと

酸素

活性酸素が体に与える影響

活性酸素は体内で常に作り続けられているものですが、ストレスや喫煙、激しい運動や紫外線などがその生成量を増加させます。

体内には、活性酸素を分解する酵素がありますが、活性酸素が増え過ぎると分解が間に合わなくなってしまいます。

活性酸素を増やす要因

紫外線   = 皮膚への刺激によって、活性酸素が発生する

化学物質、大気汚染、喫煙 = 化学物質や大気、タバコの煙自体に活性酸素が含まれている

ストレス  = 緊張による筋肉の収縮により、減った血流が回復するときに大量の活性酸素が発生する

激しい運動 = 酸素の消費量が増える分、活性酸素も増加する

活性酸素が増え、細胞にダメージを与える→老化や生活習慣病の促進

抗酸化生活を意識しよう!

老化を予防するためには小さな積み重ね、すなわち普段の生活習慣の中で取り入れていくことが必要と考えられます。
まずは、活性酸素を増やす生活習慣を断ち切ることが必要です。

例えば、禁煙や飲酒量が多い方はアルコール摂取量を減らすことも重要なステップです。
ストレスをため込みやすいという方は積極的にストレスが解消できるようなケアを取り入れていくことが必要となります。

そして食事から抗酸化物質を摂取する意識を持ちましょう。
抗酸化作用のある成分として、ビタミンやミネラルのような栄養素や、ファイトケミカルを含む野菜や果物です。

抗酸化物質の効果
  • がん抑制
  • 動脈硬化予防
  • アンチエイジング対策

ビタミンA

ビタミンAは皮膚や目の健康に欠かせない栄養素で、「レチノール」と「β-カロテン」があります。今回特に注目していただきたいのは抗酸化作用のある「β-カロテン」です。
トマトやホウレンソウ・ピーマン・ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれます。

ビタミンC

ビタミンCを多く含む食品はパプリカやブロッコリー・じゃがいも・キウイ・柑橘類・イチゴ・柿などです。熱に弱く水溶性であるため、生で食べることがおすすめです。

ビタミンE

ビタミンEは油に溶けやすい性質があるため、油を使うと体内に吸収されやすくなります。ビタミンEを多く含む食品は種実類(ごま・アーモンド・ピーナッツなど)やかぼちゃ・アボカド・うなぎなどです。

カテキン

抗酸化作用以外にも血圧上昇抑制や殺菌作用などが期待できます。
緑茶に最も多く、ほうじ茶や紅茶、ウーロン茶にも含まれます。

ケルセチン

血液をサラサラにする効果があります。
玉ねぎやアスパラガス、レタスなどに含まれます。

アントシアニン

血行を改善し、疲れ目の予防と改善が期待できます。
プルーンやブルーベリー、柿などに含まれます。

ビタミンEについての補足

米国のジョンズ・ホプキンス大学がビタミンEの摂取と死亡率について、研究データをまとめたメタ解析があります。(Ann Intern Med 2005;142:37)

結論から言うと、ビタミンEの摂取量が多くなるほど、死亡率が高まっているとの結果でした。
大量のビタミンE摂取は、安全性に対する疑問が提起されており、ビタミンEのサプリメントをたくさん摂る、具体的には、1日400IU以上摂ると死亡率が高まると論文が示しています。

ビタミンは、生物にとって必要不可欠な物質であり、サプリメントで摂取しても問題ないだろうという安心感がありましたが、死亡率を高める結果になってしました。

脂溶性ビタミンということが関係しているのかもしれませんが、ビタミンEは、少なくともサプリメントで大量に摂取することはやめておいた方がいいでしょう。
あくまで大量摂取ということが重要なポイントです。
ビタミンEは抗酸化作用を持つ人に必要不可欠なビタミンであることは変わりないので、食事からしっかり摂取することを心がけましょう!

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【参考:健康長寿ネット、一生役立つきちんと分かる栄養学、厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』】

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