【要約・感想】スタンフォード式「疲れない体」って何!?

この本は、疲れない体を作るための回復理論についてを網羅的に集約したものとなっています。著者は、スタンフォード大学スポーツ医局アソシエイトディレクターで、同大学アスレチックトレーナーでもある山田知生さんという方です。実際にスタンフォード大学で活躍されている方ですね。

なぜ人は疲れてしまうのか?疲れにくく、そして疲れてもすぐ回復する体になるには、どうすれば良いのでしょうか。
この本では、人が疲労する仕組みを、世界でもトップレベルを誇るスタンフォード大学の「科学的知見」を基に解説されています。人間である以上、「疲労」と無縁で過ごせる人はなかなかいないと思いますので、とても参考になると思います。

それでは、この「スタンフォード式 疲れない体」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。

目次

「スタンフォード式 疲れない体」の要約

スタンフォード大学は、頭脳だけでなく、多数の金メダリストを輩出するようにスポーツにおいても世界屈指の大学です。

そんな超人揃いの大学の中で、重要視しているのは、「疲れ」なのです。

  • 疲れていると、試合に勝てない
  • 疲れていると、本来の実力が発揮できない
  • 疲れていると、ケガ・故障につながる

つまり、疲れの予防と疲れを早期に解消することが大切になってくるのです。
この疲れに向き合うためには、科学的根拠を基にした知識が重要で、知識なき実践はとても危険です。
「疲れない体を作る」というのは、人体のメカニズムに即した回復法なので、アスリートであろうとなかろうと、すべての人に効果があるアプローチです。

この本で「疲れない体」の本質を学び、抗疲労体質を目指していきましょう。

「疲れ」とは見えない敵である

そもそも「疲労」って何?

この本では、下記のように定義されています。

疲労とは、「筋肉と神経の使いすぎや不具合によって体の機能に障害が発生している」状態のこと

疲れた時は、筋肉の疲れにフォーカスされがちですが、神経の疲れということも覚えておく必要があります。

神経の疲れというのは、神経のコンディションが悪くなっている状態であり、突き詰めると原因は脳に通じます。この脳疲労を防ぐために、一番重要なのは、体の歪みを正すことです。

疲れやすい体 = 歪んだ姿勢の体になっている

体の歪みは、中枢神経を乱すトリガーとなる危険な状態です。
疲れた体にならないためにも、中枢神経に対するアプローチも重要なのです。

スポーツ医学で大切なこと
  • 中枢神経を整えることで、体に余分な負荷がかからないようにし、疲れを予防する
  • 筋肉を鍛えて、パフォーマンスを上げる
  • リカバリーメソッドを実践して効率よく回復を図り、体と脳の疲れを取る

自分の疲労を客観視する4つのバロメーターはこちらです。

  • 脈がいつもと違う
  • いろいろな時間に寝ている
  • 腰が痛い
  • 呼吸する場所を間違えている

体の歪みと密接に関係しているものこそ「体内の圧力」です。
体内の圧力を向上させるために土台となるのが、IAP呼吸法です。

この呼吸法を実践することで、体の中の圧力が高くなり、その圧力に支えられる形で体の中心は安定します。

最強の回復理論 = IAP呼吸法

IAP(Intra Abdominal Pressure)呼吸法とは、日本語で腹腔内圧(腹圧)呼吸法です。

簡単にいうと、腹圧呼吸です。腹式呼吸とは違います。
息を吸う時も吐く時も、お腹の中の圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法で、圧をお腹の外にかけるように意識して、息を吐き切るのが特徴です。

体内圧力が高まることで、体幹が支えられて安定し、無理のない姿勢を保つことができるのです。

IAP呼吸法のメリット
  • 腹圧が高まることで、体の中心がしっかり安定する
  • 体幹と脊柱が安定すると、正しい姿勢になる
  • 正しい姿勢になると、中枢神経と体の連携がスムーズになり、無理な動きがなくなる
  • 無理な動きがなくなると、体のパフォーマンスレベルが上がり、疲れやケガも防げる

ただこの腹圧呼吸は、自然にするのは難しいようで、トレーニングが必要です。

この本に記載されている図解等を参考にして、無理せず1日最低1回程度で取り組むといいでしょう。

睡眠による超リカバリー法

まずは、最低でも7時間は寝るように!
アスリートと睡眠時間の関係を調査した研究では、睡眠時間が長ければ長いほど、選手としてのキャリアが長いという結果も出ています。

また疲れないために、じっとするという作戦をとっていると、夜間に回復がままならない分、反対に「疲れやすくなる」ので注意です。

寝る前の2分間でもIAP呼吸法をすることを習慣にすると良いでしょう。

  • 夜更かしも早寝もしない
  • 週末に体内時計を狂わせない
  • ベッドに入る90分前までに入浴
  • 就寝前にIAP呼吸法

完全鉄壁にする栄養学

胃腸の疲れに何より影響するのが「食」です
最も気をつけるべきことは、疲労感を免れない血糖値スパイクの恐怖です。

空腹の後に大量に食べると血糖値が極端に急上昇し、その後急降下することになります。

これは、血糖値スパイクと呼ばれる現象で、糖尿病や心臓病にもつながるとされ、血糖値の急な乱高下は眠気や疲労感のもとにもなります。

朝食を抜くと血糖値スパイクが起きやすい状況になってしまいます。
朝食は「ぬかずに食べる」ことが肝心なのです。朝食は、その日の活動に際してもエネルギー源になりますので、朝食の時間はできるだけ固定しましょう。

そして、どの食事も腹8分目までがスタンフォードの鉄則です。
満腹になるまで食べてしまうと消化に時間がかかり、「朝食後」「昼食後」の日中の倦怠感を誘発します。

「腹8分目」+「お腹が空いたら、ナッツやフルーツなどの間食で埋める」→ 満腹疲れ防止策

1日の食事の中で「タンパク質と炭水化物の割合は3:1」を目指しましょう。

禁断の疲労食

甘い朝食、お菓子やケーキ、アイスクリーム、清涼炭酸飲料は、文句なしでNGです。

そんな中、賛否があるのは、エナジードリンクです。
エナジードリンクに含まれるタウリンは、イカやタコ、うなぎなどの食材に多く含まれ、疲労回復に効果があるとされています。しかし、タウリンが健康な人の疲労を軽減することを示した臨床データや論文はないとも言われています。

またエナジードリンクには、カフェインが含まれているケースが多く、多量に飲み過ぎるとカフェイン中毒を発症して、最悪の場合、死に至ることもあります。

エナジードリンクはほどほどに、もしくは出来る限り避けるようにしましょう。

@感想

アスリートだけでなく、一般人にも共通する疲労回復方法について網羅的にまとまっており、濃厚な本となってます。
IAP呼吸法が「体内圧力」を上げることで、体幹を整え、疲労回復につながるということは、目から鱗です。この本では、IAP呼吸法のメカニズムも含めて余すことなく記載しているので、すぐにでも実践したくなりました。良い健康習慣につながることは、コツコツ取り入れていきたいところです。

こんな方におすすめ
・スポーツをやられている方
・新しい健康習慣を探している方
・IPA呼吸法や超疲労回復方法について知りたい方

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