【要約・感想】最高の体調!科学的に最高のコンディションを整える!

現代社会に起因する特有の病気や症状を「文明病」と言います。この本では、この文明病の科学的根拠のもと、どのように脱却できるのかを実践的に解説されています。

著者は、サイエンスライターとして活躍されている鈴木祐さんです。現在も、ご自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続けており、ヘルスケアに関するエキスパートです。

文明病の中でも典型的な例が「肥満」です。現代に肥満が蔓延しているのは、昔よりも社会が豊かになったからに他なりません。著者は「進化医学」という観点から、その解決法を探っていき、私たちに解決するための汎用的なフレームワークを提供してくれています。

それでは、この「最高の体調」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。

目次

「最高の体調」の要約

文明がここまで発達したにもかかわらず、私たちは依然としてさまざまな問題を抱えています。
しかし、その大半は「文明病」に起因するものであり、個人の意志の弱さや性格に原因があるわけではないのです。

文明病を解決するためには、まず自分が抱える問題について、狩猟採集民と現代人の遺伝的なミスマッチを特定し、そのミスマッチを起こしている環境を修正することが必要であります。

現代人の問題は大きく「炎症」と「不安」に大別できます。
炎症を防ぐうえでもっとも手軽でメリットが多いのは自然との接触を増やすことであり、不安に対処するうえでもっとも重要なのは価値観を固めることなのです。

この本では、この「炎症」と「不安」について、それぞれの対処法を科学的根拠とともに紹介し、具体的事例についてに学ぶことができます。

実践できそうなところは是非実施し、最高のコンディションを作り上げていきましょう。

現代は文明病に溢れた世界

文明病とは、近代社会の変化によって引き起こされる、現代に特有の病気や症状のことです。
多くの病気の共通項でもあるのが文明病であるとも言われています。

  • 肥満
  • うつ病
  • 集中力の低下
  • 慢性疲労
  • 不眠

この中でも最も典型的な例は「肥満」です。
そもそも古代では、肥満という現象はありえないというのです。

古代の環境には、食料の保存や流通のシステムがないため、カロリーはもっとも貴重な資源です。その中で進化した人類は、自然と高カロリーな食事を好むように脳を作り変えてきたのです。
つまり、昔とは違い現代は食に溢れた環境下であるにも関わらず、人間に備わった生存システムが高カロリーの食事を好むまま変わっていないというわけです。

この人類の進化と現代のミスマッチが進化医学の根幹となります。
「文明病」というアイデアを使って、悩みを解くロードマップは以下の通りです。

  • 自分が抱える問題について、どこに遺伝のミスマッチがあるのかを特定する
  • ミスマッチを起こしている環境を、遺伝に沿うように修正する

これだと少し漠然としているので、大きく2つの要素に分類しています。

炎症

不安

これらがナビゲーターとなり、悩みの原因に導いてくれるはずです。

第1の要素「炎症」

  • 狩猟採集民 :外傷や感染による短中期的な炎症がメイン
  • 現代の日本人 :体内で延々とくすぶる長期的な炎症がメイン

炎症に最も関わるのはカロリーと睡眠です。

私たちの脳と体は低カロリーには上手く対応できますが、高カロリーを処理するようには設計されていません。なので、カロリーが多すぎると炎症につながってしまいます。

睡眠については、カルフォルニア大学の研究で下記の結果が発表されました。

  • 1日平均7〜9時間の睡眠時間から逸脱すると体内の炎症が激増する
  • 夜中に何度も目が覚める場合も体内の炎症は増える

狩猟採集民には「不眠」や「寝不足」といった言葉はなく、1日気ままに寝るだけで、体力を完全回復させていたと言われています。

他にも炎症を防ぐための対策が下記のようなことです。

  • 発酵食品などから食物繊維の摂取
  • 慢性疲労と腸内細菌に関係がある
  • 抗生物質は腸内環境を悪化させる
  • プロバイオティクスの摂取
  • 部屋の換気と加温対策

社会関係

  • 自然との接触を増やす(アウトドア)
  • 観葉植物
  • 友人との接触時間を増やす
  • コミュニティに参加し、同期行動を取る
  • 信頼できる相手をつくる

ストレス

  • 適切な睡眠時間
  • 昼寝の有効活用
  • ウォーキング
  • デジタル断食

第2の要素「不安」

不安は文明病だと言われても納得できる人は少ないでしょう。
ただワシントン大学の分析によれば、全世界で13人に1人もの割合に達するとのことです。日本でも不安障害の数は増え続けているので、文明との関連を否定できないです。

不安の中でも「ぼんやりとした不安」は、下記のように現代人の脳のパフォーマンスとQOLに多大な影響を及ぼしています。

  • 慢性的な不安は、あなたの記憶力を低下させます。
  • 不安は、あなたから理性的な判断力を奪います。
  • 不安は、あなたの死期を早めます。

このぼんやりとした不安は、「未来の遠さ」に関係していると言います。
例えば、体を壊すのではないか?いつか生活資金がなくなるのではないか?いつ地震が起きるのか?などです。

では、不安を防ぐための対策はどのようなことでしょうか。
ポイントとなることは、「未来を今に近づけること」です。心理的に距離が近くなると、メンタルが強くなり、ぼんやりとした不安は生まれなくなるのです。

現代は、価値観が多様化し、私たちの未来像をぼんやりしたものに変えてしまっていることも問題かもしれませんね。価値観を見定める具体的手法として、下記メソッドが挙げられていました。興味ある方はぜひ本編をご覧ください。

  • 価値評価スケール 12種類の人生ジャンルに記入
  • パーソナルプロジェクト分析 自己分析による価値観の決定
  • ジョブクラクティング 仕事の内容から働く価値観を考える

@感想

この本で書かれている多くの原因と対策に裏付け、科学的証拠があるので、実践する価値があると感じました。最高の体調を整えることは、長寿にもつながるような気がします。
私も含め文明病の犠牲者は数知れないと思いますが、できる限り脱却する努力をすることが大切かもしれません。

こんな方におすすめ
・健康メソッドについて詳しく知りたい方
・新しい健康法について興味がある方
・文明病を詳しく知りたい方

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次