この本は、私たちの生活に根付いている「パン」と「牛乳」という2大食品が、人間にとって害があるということを軸としています。
著者がなぜ「パンと牛乳は今すぐやめなさい!」という考えに至ったのか、パンと牛乳をやめるとことで、どんなメリットがあるのか、またやめるために具体的にどうすればいいのか、が科学的にわかりやすく述べられています。
著者は、内山葉子先生という方です。
現在は葉子クリニックの院長をされており、総合内科医、腎臓内科専門医として、西洋医学に捉われず、総合的に様々な分野の難治性疾患の診療を行っておられます。
それでは、この「パンと牛乳は今すぐやめなさい!」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「パンと牛乳は今すぐやめなさい!」の要約
牛乳が体にいいと思っている人は、一般的には多いでしょう。
パンも菓子パンや揚げパンは分かるが、普通の食パンは何も悪くないのでは?と思っている方が大半でしょう。
その感覚がくせものです。
実はパンと牛乳が関わって発症、あるいは悪化する症状・病気は多岐にわたります。
パンと牛乳の害は多方面に渡りますが、その中心は腸へのダメージや本来の酵素の働きを阻害することです。
これは内山葉子先生の診療方針とも合致するため、自然と食事指導に「パンと牛乳をやめる」ことが必須項目として加わるようになったようです。
パンの悪い主な理由は、腸にダメージを与えるグルテンを多く含むこと、牛乳の悪い理由は、牛乳に含まれるタンパク質のカゼインです。
このようにこの本では、パンと牛乳がどんなメカニズムで体に害を与えるのかを科学的にまとめています。
この本を通して、今までの感覚が変わり、パンや牛乳を「ちょっとやめてみようかな」「へらしてみようかな」と思えるような考えが出てくるかもしれません。。
敵は「グルテン」と「カゼイン」
・小麦粉に含まれる「グルテン」
・牛乳に含まれる「カゼイン」
小麦粉のグルテン
まずは、小麦粉のグルテンです。
パンに大量に含まれるグルテンは体内で異物とみなされ攻撃対象となってしまいます。
人間の臓器には、小麦のタンパク質とアミノ酸配列が似ているものがあり、脳、神経細胞、肝臓、甲状腺、膵臓、心臓などがグルテンと間違われて、これらの臓器が攻撃され、様々な病気を引き起こしてしまいます。
グルテンとこうした病気との関係については、日本ではまだ広く知られていませんが、海外ではすでに多くの論文がでています。
ちなみに、パンを食べてグルテンの未消化物が増えると、内臓脂肪が増えるようです。欧米人で少し太めの人が多いのは、肉食ではなく、パンのせいらしいです。
牛乳のカゼイン
もう一つは、牛乳のカゼインです。
日本人のほとんどは、牛乳はカルシウムたっぷりで健康にいいと信じています。
実はそれ、誤った思い込みなのです。
確かに成分としてのカルシウムは多く含まれていますが、そのカルシウムは人体でほとんど利用されていません。
今の牛乳は、大量生産の過程で、衛生上の理由から超高温〜低温で殺菌されるようになっており、条件にもよりますが、その過程で酵素活性や善玉菌も死滅しているのです。
また、牛乳のカゼインから不完全に分解されるエキソルフィン(カソモルフィン)は、脳内でモルヒネのような作用をすることから、中毒症状を起こす可能性もあり、注意が必要とのことです。
では、どのようにすれば良いのでしょうか?
これは、パンや牛乳が元になって体にできた抗体が体から消えていく目安の期間です。
理想は完全にやめてしまうことですが、少し減らすだけでもOKです。
チャレンジをしながら自分のペースで実施していきましょう。
@感想
パンは、糖質を大量に含む精製された小麦粉なので良くないだろうなと思っていましたが、科学的に言われてしまうと反論の余地もありません。これからパンを食べる頻度を減らしたいと思います。
牛乳も同様ですね。幸いなことに私は牛乳があまり好きではないので、ホッとしました。
最近では、グルテンフリー、カゼインフリーという言葉も少しづつ浸透している気もするので、これからはさらに加速するかもしれませんね。
何より重要な問題は、私たちの認識や思い込みであることが改めて分かる本でした。
こんな方におすすめ
・パンと牛乳の害についてもっと詳しく知りたい方
・おやつや調味料のコツ、食事のレシピを知りたい方
・パンや牛乳と関連する症状や病気について詳しく知りたい方
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