この本は、最先端の健康習慣を端的にまとめて解説してくれています。
著者は、ハーバードでの経験も含めた、精神科医として30年以上のキャリアをもつ高橋栄先生という方です。
高橋先生ご自身は、精神科医としてだけでなく統合失調症という病気について超一流の研究者たちと研究活動をされていたという、まさにエキスパートの先生です。今も大学の医学部で精神医学の臨床教授や日比谷で開業もされて臨床にも関わっているみたいですね。
それでは、この『ハーバード大学医学部で研究してわかった、「絶対に失敗しない」5つの健康習慣』について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
『ハーバード大学医学部で研究してわかった、「絶対に失敗しない」5つの健康習慣』の要約
心と身体は、別物ととして捉えがちですが、実際は表裏一体のようなものです。
両者を切り離して考えることはできません。
ただ、いまの日本社会は、身体面のトラブルを必要以上にメンタルのせいにする風潮があります。「病」は気からと言うように、心が身体に与える影響は無視できませんが、現代社会はそれを強調しすぎているのです。
30歳を超えたら、その先の人生をいかに充実させるかを真剣に考えるべきです。
悪しき生活習慣に目を向け、自らが抱えるトラブルを身体面から解決し、実りある人生をいかに手に入れるかを考えていきましょう。
この本では、身体と心を害する原因となりがちな肥満、飲酒、ED、不眠、ストレスを解消する方法を伝授してくれます。
健康的で素晴らしい人生を送りましょう。
健康とは心得と同義だ!
食欲が敵
- 食事日誌をつける
- 糖質を制限する
- 脂質を制限する
- 積極的にタンパク質を摂る
- 「チートデイ」を作る
減らすのは、糖質と脂質です。タンパク質は減らしてはいけません。
肝臓や筋肉に蓄えられる糖質の量には、リミットがあり、糖質を摂りすぎると肝臓や筋肉だけでは引き受けられなくなります。運動不足だと筋肉の量も少なく、蓄えられる量も少ないのです。
脂質を減らすべき要因として、カロリーの高さがあります。脂質を少し減らすだけで、摂取カロリー全体を抑えやすくなるので、できる限り抑えるべきです。
そんな中タンパク質は、むしろ増やすべきとのことです。
タンパク質を摂ると満足感が高まり、食欲を抑えるホルモンの分泌を促して過食が避けられるとのことです。
また筋肉の源となり血糖を受ける余力を増やすこともできるのです。
- 糖質を減らす工夫 角砂糖に換算する
(白ご飯一杯 角砂糖18個以上、食パン1切れ13個以上、うどん16個以上、ラーメン18個以上、スパゲティ19個以上) - トランス脂肪酸や過酸化脂質はNG、家で使う植物油は、酸化しにくいオリーブオイルを推奨
ダイエットの心得
「チートデイ」を設ける (ダイエットを休む日)
- 2ヶ月目以降からチートデイ
- 週2回ほどを考慮
- 3食のうち1食だけ
- 好きなものを好きなだけ食べる
お酒を減らそう
- お酒を減らした時のメリットをイメージする
- 断酒ではなく減酒
- ノンアルコール飲料を有効活用
- 休肝日を作る
ポイントは、断酒ではなく減酒のようです。コロナウイルスの影響で、外食も少なくなり自然と減酒になっている人もいるかもしれませんね。
飲酒の主なリスクは、がん、脳の破壊、肝臓へのダメージです。
厚生労働省の研究(多目的コホート研究、2005年)でも、週300g以上の飲酒はがんの発症に関連しているとの報告があったり、大量の飲酒で脳をアルコール漬けにし続けると、脳は徐々に萎縮するとも言われています。
肝臓へのダメージも肝硬変や肝臓がんへ繋がっていきます。良いことありませんね。
そして、そもそも日本人は肝臓の大きさも小さく、体質的にもアルコールに弱いのです。
実は、欧米人に比較的アルコール依存症が多く、日本人に肝機能障害が多いのは、大量のアルコールを摂取し続け、アルコール依存症になる前に肝臓が破壊されてしまうからなのです。
飲酒の節度
1日あたり純アルコール量 20g(厚生労働省)
例)
- ビール(5%) 500ml
- 缶チューハイ(9%)280ml
- 焼酎(25%) 100ml
- ウイスキー(40%) 60ml
- ワイン(12%) 200ml
減酒のメリット
- 無駄なお金がかからない
- 時間に余裕ができる
- 体調が良くなる
- 見た目が美しくなる
この本では、減酒の具体的方法についても記載されています。
ED治療が大切
EDとは、勃起不全のことを言います。
今の成人男性の4人に1人はEDに悩んでいるそうです。正常な方々には、問題ないかもしれませんが意外と多いですね。
性生活を充実させることで、健康になり、若返ることもできるのです。
EDの多くは、血流や血管に何らかのトラブルを抱えており、具体的には動脈硬化症が当てはまります。
この動脈硬化が血管を古くさせ、老化や病気の原因になっているのです。
- ストレスは直接の原因ではないことがある
- うつ病でもない
- 男性ホルモンの減少も引き金
大事なことは、EDは必ず治ると言うことです。
セルフケアとして下記のようなことが挙げられます。
- サプリメントの摂取(DHAやEPA、ナットウキナーゼ、カカオポリフェノール)
- ローヤルゼリーもあり
- 亜鉛の豊富な食品を摂取(牡蠣、レバー、煮干し)
- 内臓脂肪を減らす
- 有酸素運動&無酸素運動の実施
治療薬を使うことは、セルフケアを十分に実施してからです。
眠りこそ人生
眠りは健康の土台です。
不眠症には睡眠薬よりも行動療法が効きます。眠れない時には下記のようなことを実践し、健やかな眠りの時間を過ごしましょう。
- 年齢に応じた睡眠時間の減少を受け入れる
- 不眠がどうした!!と開き直る
- 規則正しい生活
- 30分以上の昼寝をしない
- 毎日朝日を浴び、夕方以降は強い光を浴びない
- カフェイン飲料を控える
- 毎日入浴する
- 寝る時間は気にしない
@感想
王道の健康書とも言えるでしょう。
各論でメリットとデメリットを提示しつつ、具体的な改善方法も明記してくれているので、あまり考えることなく健康生活を実践できると思いました。EDに関する情報もあるので特に男性にはおすすめかもしれません。
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