この本は、若々しく健康に生きるための中国医学の方法論を紹介してくれています。
著者は、株式会社漢方キッチンの代表で、中国医学における薬・薬膳に精通している阪口珠未さんという方です。
私たちの多くは、西洋医学を基本としており、中国医学と聞くとなかなかピンとこないことも多いですが、この本を読めばそんなことはなくなると思います。今までとは違った角度や視点でアンチエイジングについて学べると思います。
それでは、この「老いない体をつくる!中国医学入門!」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「老いない体をつくる!中国医学入門!」の要約
多くの人が共通で気にしていることは「加齢」の問題です。
まだまだ若い世代に負けずに働きたい、新しいことに挑戦したい、元気に過ごしたい、健康を保つ方法を知りたい、などの声を聞きます。
中国医学には、西洋医学とは違う、「抗衰老」(老化を食い止める)という考え方があるのです。
それは、「腎精」という人間がもともと持って生まれた生命エネルギーをチャージして、若々しく生きるという方法です。腎精というエネルギーをチャージして目減りさせないことも目的にした生活スタイルが健康に重要なのです。
この本では、この「腎精チャージ」という考え方を中心に、年を重ねながら、元気で美しくいるための中国医学の方法論を解説いただいております。
40歳を超えたら中国医学が大事!!

中国医学の中で大事な概念
中国医学で体を若々しく保つためには、下記2つがとても大切だと言われています。
- 食事のコントロール
- 心のコントロール
また中国にはこんな言葉があります。
民以食為天 = 庶民にとって最も大事なのは、食べること
どんな良い薬も、毎日食べる食事を通じて体を整えることには及ばないことを示した言葉です。
健康的に過ごすためには、食事が重要であることが中国医学の基礎となっているのです。
中国では、食材と薬は区別がないともされており、食事に薬のような働きを求めることもあります。
薬膳という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、これは「薬が入った食事」というわけではなく、「食に薬の効果を期待して作る、食べる」という考え方なのです。
五臓の中の腎の力
まずは、中国医学の軸!五臓を知っておくべきでしょう。
五臓
- 肝 エネルギーをめぐらせる、血を溜める
- 心 血を巡らせる、精神活動のコントロール
- 脾 固形物と水の消化と運搬
- 肺 呼吸をコントロール、体表を守る
- 腎 生命エネルギーのバッテリー電池、水分代謝をコントロール
五臓は、それを通して、エネルギー(気)、栄養(血)、体液(水)、エネルギーのエッセンス(精)を作り出す活動を行うものです。
五臓の中でも老化に最も関係深いのが腎とのことです。
腎に蓄えられているエネルギー、エッセンスのことを「腎精」と呼びます。
中国医学では、人生のリズムは腎のリズムで決まると言われています。
- 腎が盛んになると体が成長し、成熟する
- 腎精が衰えることで、老化する
つまり腎精をいかにチャージしながら生きていくことが重要なのです。
この本では、腎の働きチェックシートがあり腎の力を計ることができます。
腎の衰えによって起こること
- 性欲低下
- やる気低下
- 尿切れが悪くなる
- 耳が聞こえにくくなる
- 骨も歯ももろくなる
- 髪が薄くなる
- 精神状態がアンバランスになる
- 物忘れ、ボケが出てくる
腎が五臓の中でも特別な存在でありますが、もちろんその他の五臓とも密接に連携しています。腎をケアするだけでなく、肝、心、脾、肺をケアすることが老いない体を作る道なのです。
五臓をケアするためは、それぞれに適切な食材があり、五臓の状態に合わせた食生活を送ることも大切です。

腎精チャージ食材とは
- 山芋 腎と脾の両方に効果あり、万能
- キノコ類 免疫を活性化、薬膳にもマスト
- 海藻 腎精をチャージ、ミネラルの宝庫
- 桑の葉・茶葉 血糖値の上昇を抑える
- ナッツ類 毎日食べると死亡リスク減、高い腎精チャージ
- ベリー スーパーフード、腎精チャージ
- 骨付き・皮付き肉 精を補い、皮膚を補う
- 魚介類 高い腎精チャージ、体液を増やす
薬膳では、体の臓器に効果的な色があるとも考えられています。
腎精をチャージし、若返りの効果がある食材は、黒い色の食材です。
黒い食材 黒い色には若返りの効果があり 例)黒胡麻、黒豆、薬味、スパイス
@感想
この本の中で印象的な言葉がありました。
食事も同じで、自然から離れすぎた食品はよくないということですね。まさに真理をついており、とても中国医学や漢方医学らしいなと感じました。中国医学は、非科学的に思われがちですが、最近は、研究や実験によって効果が裏付けられることも多くなってきているのも事実です。
いつもの健康本と違った視点で学ぶことができましたが、共通項も多くとてもためになると思います。
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