【要約・感想】腸内細菌の逆襲!お腹のガスが健康寿命を決める!

この本は、腸内細菌が異常に増えると発症する小腸内細菌増殖症「SIBO」について最新知見を基に学ぶことができます。
著者は、栃木県にある江田クリニック院長であり数々のメディアにも出演されている江田証先生という方です。消化器系の中では、非常に著名な先生のようです。

腸内細菌は、人の味方と思われていますが、最新の研究では敵となることも分かっているそうです。この本では、その点に切り込み解説いただいております。

それでは、この「腸内細菌の逆襲!お腹のガスが健康寿命を決める!」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。

目次

「腸内細菌の逆襲!お腹のガスが健康寿命を決める!」の要約

腸内細菌は、現代人の食生活の乱れ、ストレス、都会の環境汚染、ジャンクフードの氾濫、抗生物質の濫用などにより、傷つけられてきています。

今、急激な変化を背景に、腸内細菌の逆襲が起こっているのです。

それが、小腸内細菌増殖症(SIBO)という病気です。

最先端の細菌病として医学界でも大注目されているのです。つらい腹部の張り、ガス、お腹の鳴り、下痢や便秘、それに伴うだるさ、集中力の低下など、様々な不幸を呼んでしまいます。

腸内細菌は敵ではありません。私たちを守ろうとして、頑張りすぎてしまった腸内細菌のなれの果ての姿がSIBOだったわけです。

この本を読むことで、悩みの原因や最新の治療法が見つかるでしょう。食事の生活を切り替えたり、検査を受けたりすることで人生を大きく好転できるはずです。

腸内細菌の崩壊が健康を破壊する!

腸内細菌の不思議

腸は、自身が独立して機能することが可能な、広範な神経ネットワークを有する非常に重要な器官です。

その腸をすみかとした腸内細菌は、人のメンタル(マインド)や病気とも密接に関わっていることが証明されています。

腸内細菌は様々な種類があり、個々の細菌によって下記のようなことに関連すると言われています。

  • 胃液の分泌に影響する
  • 腸内環境を整えるとキレやすい性格が緩和される
  • 糖尿病になるかどうか予見できる
  • がんや動脈硬化のリスクを高める
  • 歯磨き重要!歯周病菌が大腸に到達しがんのリスクを高める

抗がん剤の効きやすさや血管の老化も全ては腸内細菌に左右されると言うことです。

覚えなくても良いかもしれませんが、人の腸内細菌には、4つの大きなグループがあります。

  • バクテロイデテス門
  • ファーミキューティス門
  • プロテオバクテリア門(大腸菌など)
  • アクチノバクテリア門(ビフィズス菌など)

正常な腸内細菌のバランスとは、なるべく多種類の腸内細菌がバランスを保って存在することです。

腸内細菌のバランスが崩れているとは、単一の、少ない数の腸内細菌だけが増え、「多様性」が失われた状態になることなのです。

最近では、腸内細菌を守るため発酵食品や水溶性食物繊維を積極的位摂取しようと言われていますが、このような「腸活」が逆効果になることも分かってきています。

日本人で、過敏性腸症候群に悩む患者さんは、1700万人を超え、特に中高生においては18.6%の若者が「原因不明」のお腹の不調に苦しんでいるとのこと。

多くの日本人を苦しめている過敏性腸症候群には、小腸に棲んでいる腸内細菌の暴走が関係していることが分かっているそうです。

そんな中、過敏性腸症候群と考えられている患者さんの84%は「SIBO」だったという論文が報告されたのです。

このSIBOを理解し、腸内環境を整えることが過敏性腸症候群を防ぐ、また治療することの道になるのです。

腸内細菌を改善する薬・食事・手術
  • メトホルミン
  • 防風通聖散
  • コレスチミド
  • 断食(間欠的絶食)
  • 肥満外科手術
  • パンクレリパーゼ

SIBOという難病

SIBOとは、小腸内細菌増殖症と言います。

小腸の中で腸内細菌が爆発的に増えてしまう病気のことです。

私たちは腸内細菌と共生しているため、腸内細菌が過剰増殖してしまうと様々な問題が起きてしまうのです。

日本人の多くは、SIBOに知らず知らずにかかっているのにも関わらず、認知度が低いことも問題の一つです。

主な症状

  • お腹がパンパンになる(ガスが発生)
  • 頑固な下痢や便秘
  • 腹痛
  • おなら
  • お腹のゴロゴロした違和感

SIBOでは、プロテオバクテリア門の細菌(大腸菌、ピロリ菌、サルモネラ菌など)が腸に悪影響を与えます。

日本人の長寿には、プロテオバクテリアが少ないことが分かっており、老化にも影響してしまうのです。

さらにSIBOになることで、腸管内に大量の数の細菌が増殖することで、腸のバリア機能が破壊されてしまい、リーキーガット症候群になってしまうのです。

これにより、腸内細菌の毒素が全身に循環することで、慢性的な炎症状態が持続し、生活習慣病を筆頭にさまざまな疾患を引き起こします。

SIBOの症状を改善するためには、このリーキーガットの改善に努める必要があるのです。

腸のバリア機能を低下させることにこのようなことが考えられます。

  • 果糖を摂取すること
  • アルコールを飲みすぎること
  • 痛み止めを使うこと
  • 歯周病になること
  • ストレスをためること
  • 激しい運動をすること
  • 食中毒になること

最良最強の食事療法

食事療法の重要な戦略は、細菌が喜んで食べるような食べ物を避けることにあります。

そのため、SIBOの患者にすすめられるのは、低炭水化物の食事療法です。

その名も「低FODMAP食」です。

F(Fermentable)発酵性の糖質
O(Oligosaccharides)オリゴ糖
D(Disaccharides)二糖類
M(Monosaccharides)単糖類
P(Polyols)ポリオール

低FODMAP食は、オーストラリアのモナッシュ大学で過敏性腸症候群の患者さん用に開発された食事法で、SIBOの患者さんにも応用できるそうです。

この低FODMAP食事法は、自分に合わない糖質とそれを含む食品を見つけることが目的でもあります。

具体的な食事方法やポイントは、この本に詳細に記載されていますので参考にしてみてください。

@感想

非常に医学的かつ科学的な書です。
なかなか読むのに苦労しましたが、読破の価値ありです。医学の進歩は日進月歩であると同時に、健康に関する正解不正解についても科学的根拠とともに変わっていくのだと感じます。もっと健康リテラシーを上げていきたいと思います。

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