この本は、日本人の歯の汚さに注目し、実際に歯の正しいケア方法を分かりやすく学ぶことができます。
著者は、東京医科歯科大学を首席卒業された森下真紀先生という方です。実際の歯科医さんですね。
私たちは、意外と歯の常識、歯磨きの常識を知らないかもしれません。歯の健康は健康長寿とも関わってくるので、しっかり学んでいきたいと思います。
それでは、この「世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか!科学的に正しい歯のケア方法」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか!科学的に正しい歯のケア方法」の要約
日本は、歯科後進国という事実があるようです。
「歯」に対する考え方に関して、外国と比べ日本は圧倒的に遅れており、いわゆるデンタルIQが低いのです。
- 毎日歯磨きしているのに、虫歯だらけ、出血が止まらない
- 歯並びが悪いため、口を開けるのが恥ずかしい
- 口臭がコンプレックス
- 自分の笑顔に自信がもてない
このような悩みをもたれている方も多いかもしれません。
悩みを解決するために、間違った情報を正し、歯に関する常識にも触れられています。
また、近年は歯周病が糖尿病、心臓疾患、脳卒中、がんなど、全身の健康にも影響を与えることも明らかになってきています。
これからの人生を豊かに謳歌するためにも、きれいで健康の歯は必要不可欠なのです。
この本では、科学的データや医学論文を根拠として、歯の健康知識について解説してくれています。
歯の健康が人生を大きく変える!
欧米人における歯の常識
欧米では、歯並びの悪さは「貧しさ」の象徴とされるようです。
日本では、チャームポイントにもなる八重歯ですが、欧米においては”不吉なもの”とされています。
確かに欧米の方で歯並びが悪い人や八重歯のある方は、あまり見かけない気がしますね。
欧米人、そして一流になるためには、下記が必要最低条件なのです。
まず歯を整えること
欧米人のトップ経営者たちは、日本人のトップ経営者たちに驚くようです。
「日本人は健康意識が高く、性格的にも真面目で清潔感があるに、なぜ歯に無頓着な人が多いのだろうか?」と。
欧米では、歯にお金をかけることが常識とされていますが、日本人の意識は低いようですね。
- 日本人の顎は歯並びが悪くなりやすい骨格
- 日本は矯正費用が高額である
- 歯の矯正は欧米では通過儀礼、日本ではいじめへ発展の可能性
- 口臭と歯並びには密接に関係がある
- 日本人の口の臭さは世界的に悪評高い
- 親の所得や学歴が低いほど、こどもの虫歯が多い
世界において歯が汚く、口臭のあるビジネスマンが信頼を得ることはないというのです。
キレイな歯は、自然と美しい笑顔にもつながります。
しかし、キレイな「歯」は一日にしてならずです。
肥満が短期間で解消できないように、キレイな歯も長期にわたる日々のケアがあってやっと達成できるのです。
大事なことは、人に見られることを意識した歯の自己管理能力なのです。
歯と歯の間のプラーク除去率
- 歯ブラシのみ 58%
- 歯ブラシ+デンタルフロス 86%
- 歯ブラシ+歯間ブラシ 95%
歯が寿命を決める!
覚えておくべきことは、「健康な歯は、全身の健康の基盤である」ということです。
というのも、口内の病気である歯周病は、糖尿病や循環器疾患などの全身疾患に関与していることが明らかになってきています。
つまり、歯を健康に保つことができれば、そうした全身疾患のリスクを下げることに貢献するのです。
さらに病気の予防にもつながり医療費支出を抑えることにもつながります。
歯を磨くこと、口内環境を整えることでこのようなことが期待できます。
- 高齢者肺炎の予防
- がん手術後の死亡率を減少させる
- インフルエンザの発症率を抑える
そして最大の敵、歯周病についてです。
この歯周病は、「口の中」に限定した病気として捉えられていましたが、最近ではこの考えは改める必要が出てきているようです。歯周病は、「全身に炎症が継続している病態」として捉えるべき疾患だとこの本では述べられています。
何より、歯周病は進行しても気がつきにくい病気でもあり、気づいた時には歯周病の原因菌が全身を駆け巡り悪さをするということも言われています。
とても怖い病気なのです。
下記の疾患は、歯周病がリスクファクターとされています。
逆に考えると、歯周病を治療することで好転する可能性がある疾患とも考えられます。
- 糖尿病
- 肥満
- 認知症
- ED(勃起不全)
- 早産や低体重児出産
長期的に見て歯の管理を行うことで得られるメリットは想像以上に大きいと言えるでしょう。
歯周病は格差社会の象徴
実は、世界で最も多い病気としてギネスブックに認定されているのが、「歯周病」なのです。
日本人も約8割が歯周病とも言われ、国民病とも言えるでしょう。
このようなこともあり、30歳を超えたら、虫歯よりも歯周病により気をつける必要があるのです。
(大人になってからの虫歯は、子供の頃に治療した虫歯が再発したものがほとんどだそうです)
- 虫歯予防は幼少期から20歳までが肝
- 虫歯は再発リスクが高い
もう少し歯周病について見ていきたいと思います。
歯周病の進行は下記のように、ゆっくりゆっくり進んでいくようです。
- 歯周病の初期段階「歯肉炎」
- 軽度の歯肉炎(歯周ポケットが深くなる)
- 中等度の歯肉炎
- 重度の歯肉炎(歯がグラグラするほど歯の根が露出する)
厚労省の調査では、日本人の95%が毎日歯磨きをしているという結果になっています。それにも関わらず、日本人の約80%が歯周病と言われています。
それはつまり、磨いているのに「磨けていない」という実態があるということです。
口内環境整備のために実施すること
- 歯磨きの目的はプラークを除去すること
- 歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間(空気に触れにくい部分)
- 歯ブラシに加え歯間清掃器具の併用
- 専門家による定期的なプロフェッショナルケア
@感想
健康を意識していても意外と口内環境というのは、盲点だなと感じていました。
そんな中、歯に関する最新知見を網羅的に学べることができる本なので、とても勉強になります。
この本では、おすすめの歯ブラシや電動歯ブラシ、デンタルフロスなども紹介してくれており、現実的で非常にためになることが多いです。歯にも気を使いながら健康生活を送りたいと思います。
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