【要約・感想】スタンフォード式 最高の睡眠!

この本では、私たちの睡眠を史上最高にするためのメソッドを科学的に学ぶことができます。

著者は、スタンフォード大学で30年近く睡眠の研究されている西野精治先生という方です。

健康生活には睡眠も不可欠です。

睡眠については個人差も多く、不明瞭な点も多いですが、この本では睡眠・覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから個体レベルまでの幅広い視野で解説くれています。

自分の睡眠生活が正しいのか、向き合うためにもおすすめの本かもしれません。

それでは、この「スタンフォード式 最高の睡眠!」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。

目次

「スタンフォード式 最高の睡眠!」の要約

「世界の睡眠研究は、スタンフォードから始まった」

最高の睡眠とは、具体的にどういう眠りを指すのでしょうか?それは、睡眠の質です。睡眠の量ではありません。

睡眠ストレスを抱えている人の多くは、「もっと眠らなければ」と、量の確保を意識してしまうのです。

しかし、忙しい日常を送る現代人にとって、「今以上」の量の確保は現実的と言えません。

何なら睡眠時間が長すぎると、かえって体に悪いというエビデンスもあります。

最高の睡眠のためには、「脳・体・精神」を最高のコンディションに整え、究極的に質が高めていくことが大切です。

その鍵は「90分の黄金法則」です。

人生の3分の1の時間が睡眠であり、いかに味方にするかが大事なのです。

この本では、眠り始めの90分が最も重要だということに焦点をあてて、睡眠に関する基礎知識から習慣術まで幅広く解説くれています。

睡眠ジャンクから抜け出せ!

睡眠の基礎知識

まずは、睡眠負債という言葉を知っておくべきでしょう。

睡眠負債:睡眠時間が足りないことによって、簡単には解決しない深刻なマイナス要因が積み重なっていくことで、気づかないうちにたまる眠りの借金のことです

日本には睡眠負債を抱える「睡眠不足症候群」の人が外国に比べて多いというデータがあるみたいです。

  • フランスの平均睡眠時間 8.7時間
  • アメリカの平均睡眠時間 7.5時間
  • 日本の平均睡眠時間 6.5時間

特に東京の平均睡眠時間は、5.59時間とも言われ、日本では都会に住む人ほど眠れていないのです。

  • 短時間睡眠は遺伝で決まる(ほとんどの人は遺伝子をもっていない)
  • 睡眠負債が貯まると寿命を縮める(肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病に直結)
  • 1日1時間以上の昼寝は、認知症や糖尿病のリスクを高める
  • 週末の寝だめごときで、睡眠負債は解決しない

これは多くの方が知っているかもしれませんが、睡眠は「ノンレム」「レム」の繰り返しです。

その中でも最初の90分のノンレム睡眠が、睡眠全体の中でもっとも深い眠りであるとされています。

そして明け方になるとレム睡眠の出現が長くなるのが通常の睡眠のパターンです。

睡眠で最も意識するべきなのは、最初のノンレム睡眠、90分をいかに深くするかということなのです。

睡眠のミッションとは?

睡眠の質を向上するためには、睡眠の果たす役割を知っておく必要があるでしょう。

睡眠が遂行するミッションは主に5つです。

  • 脳と体に「休息」を与える
  • 「記憶」を整理して定着させる
  • 「ホルモンバランス」を調整する
  • 「免疫力」を上げて病気を遠ざける
  • 「脳の老廃物」を除去する

黄金の90分

重要なことは、最初のもっとも深いノンレム睡眠に無事にたどり着くことです。

健康な人の入眠は、目を瞑ってから10分未満です。
入眠から約90分間ノンレム睡眠が続き、その後レム睡眠に移行します。

最初の睡眠周期の時に、眠りたい欲求「睡眠圧」が強く放出されることがポイントです。

この第一周期の睡眠が非常に重要で、何時間寝ようが、最初の90分が崩れれば、残りも総崩れになってしまうというのです。
眠りにおいては、「始め良ければすべて良し」。

黄金の90分についてのメリットは、下記のようなことです。

  • 寝ているだけで「自律神経」が整う
  • 成長ホルモンが分泌される
  • 脳のコンディションが良くなる

黄金の90分を手に入れるための2つのスイッチは、体温と脳です。

睡眠の質をアップさせよう

「昼間眠気が強い」「頭がスッキリしない」「ミスが多い」など日中の覚醒度の低さが睡眠の質の良し悪しを判断するポイントになります。

体温のメリハリをつける

入眠には、皮膚温度と深部体温の差を縮めることが重要です。

  • 就寝90分前の入浴
  • すぐ寝るときはシャワーで対応
  • 温泉が最も強力
  • 寝るときは靴下を脱ぐ
  • 室温のコンディショニング
  • 温度を下げるために通気性の良い「そば殻枕」も有効
  • 枕は気道を確保するため低めが良い

脳のスイッチ

  • 睡眠をパターン化する(いつものベッド、いつも通りの時間、いつも通りのパジャマ、いつも通りの照明と室温)
  • 寝る前のスマホ(ブルーライト)を避ける
  • 寝る前の運動は考えもの
  • 「今日は早く寝よう」は難しい、就寝時間の前倒しは困難

覚醒戦略

良質な睡眠を送るためには、「どう起きているか」という覚醒も重要のようです。

その覚醒のスイッチの鍵は、光と体温です。

人間はサーカディアンリズムで動いています。光を浴びることでリズムを整えているので、朝の太陽の光を必ず浴びる習慣をつけることが大切です。

そして、覚醒時にはしっかりと体温を上げてスイッチをオンにしておくことが、良い覚醒を保つ上では大事です。

  • 起床はアラームを20分差で2つの時間でセットする
  • 朝の光を浴びる
  • メラトニンのサプリが効くのは主に高齢者
  • 冷たい水で手を洗う、朝シャワーもあり
  • 朝食を食べる、咀嚼がポイント
  • 軽いウォーキングがおすすめ
  • コーヒーでカフェインを取り込む
  • 夕食は必ず食べる、寝る1時間前までに
  • 夜の冷やしトマトで睡眠力アップ

睡眠には質と量が両方が大事です。まずは睡眠時間という「量」を確保することですが、難しいときは睡眠の「質」を上げるしかありません。同じ時間寝るのであれば少しでも質を上げる睡眠で過ごしていきましょう。

@感想

睡眠について網羅的にまとまっており、何より分かりやすい書でした。睡眠は、健康生活に不可欠ですので、気になる方は是非この本を読んでみてください。睡眠関連では他にも、なぜ人は夢を見るのか?などの雑学的なトピックスもあり興味深いです。睡眠の質がパフォーマンスにつながることを意識して、生活してきたいと思います。

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