この本は、むし歯や歯周病の基礎知識からその対策、治療まで満遍なく学べることができます。
著者は、歯科医師でサウラデンタルクリニック院長の堀滋先生という方です。
アメリカでは、「Floss or Die?」という言葉があるそうです。これは歯磨きしますか?死にますか?というなかなか過激なスローガンですが、それほど歯の状態は、身体の健康状態と密接に関わっていることが根付いていることを示しているのでしょう。この本では、そんな歯と健康の関連性とケアについてとてもわかりやすく解説いただいております。
それでは、この「ウイルスも認知症も生きづらいのも、すべて歯のせい?」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「ウイルスも認知症も生きづらいのも、すべて歯のせい?」の要約
近年は、アンチエイジングのために、食生活や運動も頑張っている意識の高い方もいるかもしれません。
ただ、自分の歯のことを忘れていませんか?
厚生労働省のデータによると、75歳以上の後期高齢者は残っている歯の本数が平均で約16本しかないそうです。
これは、本来あるべき歯の数(28本)が、半数に減ってしまっているということなのです。
なぜ、歳を取るとそんなに歯が抜けてしまうのでしょうか?
歯が抜ける二大原因は、「むし歯」と「歯周病」です。
私たちは、普段から歯磨きを欠かさずに実施しているのにもかかわらず、実態はよくありません。
健康的に長生きするためには、一生使える健康な歯を1本でも多く残すことが大事なのです。
この本では、本当の意味での歯のケアにおいて、予防の観点から専門的にわかりやすく解説いただいています。
対話形式、横書きの本なので、非常に読みやすいのもポイントです。
歯を大事にせなあかん!!
なぜ口腔ケアが大事?
現在、日本人の口内環境が最悪の可能性があり、その原因の一つとしてマスクがあります。
マスクは感染症予防や花粉症対策に欠かせませんが、下記のような弊害が起こっています。
- 長時間のマスクは息苦しくなる
- 口呼吸が増える
- 口内が乾燥して唾液が不足する
- 菌が繁殖しやすい環境になる
- 口臭、歯周病、むし歯の原因になる
口内に菌が繁殖してしまうと、それが体内に入り、全身の健康に深刻な影響を及ぼしてしまいます。
特に歯周病菌は要注意で、代表的な病気のリスクとして動脈硬化があります。
歯周病菌は、歯茎の血管から全身に回りやすいことが分かっています。動脈硬化を起こした心臓の内側にへばりついた沈着物を採取して調べると、数種類の歯周病菌が発見されたという報告もあったりするそうです。
他にも歯周病菌と関連している病気にはこのようなものがあります。
- 肝炎
- 糖尿病
- アルツハイマー型認知症
- 慢性腎臓病
- 肥満・メタボリックシンドローム
- 関節リウマチ
このような病気をできる限り避けるためにも歯の健康が大事なのです。
しかし、歯の定期的な検診を受けていない場合、80歳で残っている歯の本数は6.8本というデータを厚生労働省が発表しています。本来なら28本あったのに、、、
確かに思い返すと、長寿の方でハキハキしている方って歯がちゃんとしているイメージあるような、、、
- 歯磨きだけでは、歯垢やプラークが取れない
- 大人は歯周病にならないことが大事
- 口の中の環境が酸性に傾くと細菌が繁殖する
- むし歯になりやすい人は、どちらかというと歯周病が少ない
家でのメンテナンスが重要
セルフケア方法
- やわらかい歯ブラシ(硬いと歯のエナメル質が削れる)
- 電動歯ブラシについては、ケースバイケース(1本1本しっかり磨ければOK)
- 歯磨き粉は補助的なもの(唾液の方が期待できる)
- フッ素入り歯磨き粉は賛否両論
- 歯磨きは毎食後
- 家族の歯ブラシはそれぞれ離して保管
- 10代20代はフロス、40代以上は歯間ブラシが必須
- 歯間ブラシは正しいサイズを使う
- 舌磨きは必須
- よく噛むこと
歯周病経験者だけではなく予防に対しても、歯間ブラシが必須のようです。
歯周病というのは、歯の外側とか内側から進行するものではなく、歯と歯の間から進行するため、一番重要なのは、歯と歯の間をしっかり磨くことなのです。
歯のセルフケアとしては、食事も重要なポイントになります。むし歯や歯周病を予防するために、エサとなる糖質や甘いもの、間食をできる限り避けていきましょう。
ちゃんとした歯科医院へいこう
歯を健康的に保つためには、自分に合った治療を提供してくれる歯科医院を選ぶことが大切です。
では、どのように歯科医院を見つければ良いのでしょうか?
正直なところこれが一番難しいようです。ホームページや口コミだけでは、偏りがありあまり参考になりません。
下記のようなことが大切のようです。
- 初診のカウンセリングや歯科検査に時間をかけてくれるところ
- 初診で歯を削るような治療をするところはNG
- 衛生管理がしっかりしているところ
- 治療計画を明確に提示してくれるところ
- 優秀な歯科衛生士さんがいるところ
日本は諸外国に比べて歯科治療が遅れているのは明らかなようです。
それは、歯科医師さんが悪いわけではなく、日本の保険制度の問題なのです。保険制度に縛られているが故に、歯科医療が「治療」に偏り、最も重要である「予防」という側面がなかなか進展しないとのことです。
上記のようなポイントを実践して、歯の健康も意識していくことが大切のようですね。
@感想
歯の健康が重要ということが分かれば簡単です。
自分自身で歯の健康のために、むし歯や歯周病にならないためにメンテナンスをしていくのみです。多くの健康本で歯の重要性が述べられているので、これはもう間違いないことだと考えられます。実践あるのみ。
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