この本を読めば、本当にいい健康食品・健康に悪い食品が分かるようになります。
日々何を食べるかは、健康を実現するために最も重要なことの一つであり、必読の健康書となっています。
著者は、ハーバード大学で修士号及び博士号を取得したのち、カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科学助教授として活動する医師の津川友介先生です。最先端の知識・知見を科学的根拠も用いて、分かりやすく解説してくれいています。
巷の健康情報などは信用せず、まずはこの本に書かれていることを実践することが、最良の健康生活方法かも知れません。
それでは、この「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」の要約
今あなたが信じている健康情報は本当に正しい情報でしょうか。
例えば、
- 炭水化物は健康に悪く、食べると太る
- βカロテンやリコピンは健康に良い
- 果汁100%のフルーツジュースは健康に良い
「イエス」と答えた人は、この本を読むべき人でしょう。
専門の資格を持っているような医師や栄養士が正しいことを発信しているように見えますが、そうとは限らないのです。せっかく健康意識の高い人が、テレビや本の誤った情報を信じてしまうことで、その努力が無駄になったり、不健康になってしまうのはとても残念なことです。
この本では、健康になるという観点において、現時点で最も「正解に近い」と科学的に証明されている食事を紹介しています。
まずは2週間ほど、この本で説明している食事法を続けてみると良いでしょう。
自分の体が変わってきたことを実感できるようになるはずです。
知っておくべき良い食品、悪い食品
- 魚
- 野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)
- 茶色い炭水化物(穀類、玄米、全粒粉、蕎麦)
- オリーブオイル
- ナッツ類(アーモンド、クルミ、カシューナッツ)
- 赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)
- 白い炭水化物
- バターなどの飽和脂肪酸
では、どのような食生活を心がければ良いのでしょうか?
答えはシンプルです。
普段の食事で、健康に悪い食品を、健康に良い食品と置き換えれば良いのです。
牛肉・豚肉・白米を減らして魚・野菜を増やすだけです。
- 全ての疑問に答えてくれるエビデンスがあるわけではない
- 「体に良くない」ということは「食べるべきではない」ということではない
- 個人個人の生活スタイル、運動習慣によっても適切な食事内容も異なる
食品の成分ばかりに注目する、成分信仰には落とし穴があります。
食品の成分に気を取られすぎたため、逆に本当に栄養のなる食品を摂取しなくなってしまうという失敗があるといいます。
このように食品を成分の集合体としてのみ捉える考え方を栄養至上主義と呼ぶそうです。
「成分」は多くの消費者の興味をひきつけるため、マーケティングに使われていることを忘れてはいけません。
そもそも正しい情報かどうか怪しいものも多いのです。例えば、、、
- βカロテンの清涼飲料は、がんのリスクを上げる
- リコピンが体にいいというエビデンスはない
健康のためには、成分よりも食品に注目することが重要なのです。
食の研究というのは、様々な要因が絡み、種類も豊富なため非常に研究が難しいそうです。
その中でも日本食が健康に良いというエビデンスは案外弱いのです。
逆に地中海食は健康に良いというエビデンスが複数あります。
地中海食が最強
世界数多くの食文化の中でも、健康に良いという地位が最も確立しているのが、「地中海食」なのです。地中海食の中心は、オリーブオイル、ナッツ類、魚などがあります。
地中海食 = オリーブオイル + ナッツ類 + 魚 + 野菜・果物
そして地中海食は、このような効果があると言われています。
- 脳卒中・心筋梗塞を減らす
- がんや糖尿病も減らす
地中海食は、上記で述べたように、全てが健康に良い食品で構成されているのです。
どちらにせよ、あえて地中海食にこだわる必要もなく、健康に良い食品を普段の食生活に取り入れることが大事なのです。
魚
魚は体にいいことは目新しい情報ではありませんが、実際どのように健康に良いのでしょうか。
- 死亡リスクが低い
- 心筋梗塞のリスクを下げる
- 乳がん、大腸がん、肺がんのリスクを下げる
果物
- 果物は糖尿病を予防するが、フルーツジュースは糖尿病のリスクを上げる
- 野菜・果物は心筋梗塞や脳卒中のリスクを減らす
- ブルーベリーやブドウを食べている人は、特に糖尿病のリスクが低いことがわかっている
フルーツジュースや野菜ジュースは、加工する段階で最も重要な不溶性の食物繊維が取り除かれてしまっています。これは仕方のないことですが、結果的に健康に良いというエビデンスがない状況になっているのです。
いずれにしても、ジュースではなく加工されていない果物や野菜を摂取することが大切です。
茶色い炭水化物
茶色い炭水化物とは、全粒粉、大麦、オート麦、ライ麦、玄米、雑穀類、蕎麦粉のようなものです。まんま茶色いもの。
- 死亡率を下げる
- 白米は糖尿病リスクを増やす
- 白米が主食であるというマインドセットを変える
オーガニック食材は健康に良いのか?
オーガニック食材は、年々人気になってきていますが、一般の食材とどのように違うのでしょうか。
- 栄養価は変わらない
- 残留農薬は若干少ない(ただどちらも許容範囲内)
- 冬場の肉に関しては、食中毒を起こすリスクが高い
結果的には、普通の食品とあまり変わらないことが報告されているので、過剰に反応する必要はないでしょう。
このように、健康に関する情報は日々アップデートされているので、できる限り質の高い情報を得ることが重要でしょう。
著者の津川友介先生は、ブログ(医療政策学×医療経済学)で医療に関する最新の情報も発信しています。気になる方は是非。
@感想
医学界や薬学界では当たり前かもしれませんが、はっきりエビデンスのある事象は説得力が違います。これこそ質の高い情報と言えるのかも知れません。
多くの健康情報が溢れていますが、できる限り合理的に判断できる力をつけることが健康生活への近道だとも思いました。とりあえず、地中海食を中心な生活を実践していきたいと思います。
こんな方におすすめ
・健康的な食事を知りたい方
・健康に良い食品・悪い食品を詳しく知りたい方
・健康情報が科学的にまとまった本を探している方
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