この本は、脳の老化に関わる物質「アミロイドβ」をクリーニングするための方法を解説されています。
著者は、金町駅前脳神経内科院長で、脳神経を専門としてこれまで約1万人の患者を診てこられた内野勝行先生という方です。
人間である以上、脳は加齢によって徐々に衰えていきます。これには脳のゴミが関係しており、いかに脳のゴミを蓄積しないような生活を送れるかが鍵と言うことです。この本では、脳をクリーニングする誰でも作れる簡単なスープが解説されているので参考になりそうです。
それでは、この「1日1杯脳のおそうじスープ!」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「1日1杯脳のおそうじスープ!」の要約
残念なお知らせです。
実は、脳トレって脳を鍛える効果はないのです。
これは「スタンフォード大学長寿命センター」が科学的エビデンスを基に声明を出しているのです。
では衰える脳に打つ手はないのでしょうか?
それが、「脳のクリーニング」なのです。
脳は若い頃から少しづつ脳のゴミ(=アミロイドβ)が蓄積していきます。
このゴミは、脳神経医学の見地から見ると、脳神経を破壊し、脳の老化や認知症のリスクを高めると言わざるを得ません。
つまり脳の衰えは、このゴミと密接に関係しているのです。
脳のゴミの排出に効果的な成分をたっぷり含んだスープを1日1杯摂ることで、脳のゴミをクリーニングしていきましょう。
特に記憶力や集中力に衰えを感じる方や認知症の不安の方にはおすすめの一冊になっています。
脳のクリーニングを心がける
脳のゴミが老化をすすめる
脳のゴミとは、「アミロイドβ(ペプチド)」と言われる物質です。
アミロイドβとは、脳神経細胞を死滅させる毒性の高いタンパク質の一種です。
これが脳へ蓄積していくことにより脳の機能が低下していくと言うわけです。
他にも下記のような作用があります。
- NK細胞などの免疫系の働きが抑制され免疫力が低下する
- 思考や記憶、知覚などの随意運動機能が低下する
- ゴミが溜まると物忘れや頭の回転が鈍くなる
このアミロイドβですが、溜まる原因や妨げる要因がいくつか発見されているようです。
極力排除するような生活習慣を実施していけば、脳を守れるというわけです。
認知症で最も多いのはアルツハイマー型です。
このアルツハイマー病は、発症の原因が明確ではないのですが、「アミロイドβの溜まり病」などと表現されることもあり、アミロイドβとの関わりは深いです。
個人差はありますが、アミロイドβの蓄積から約15〜20年でアルツハイマー病が発症すると言われています。
できる限り早くから脳のおそうじをして、アルツハイマー病にならずに生涯を終えたいところですね。
アミロイドβを除去する&溜めない食事
- 自然と栄養バランスがとれた食事「理想は一汁三菜」
- 糖質の摂りすぎをやめる
- 特に「白い色の糖」を避ける
- 血糖値の上昇を緩やかにする(血糖値スパイクにならない)
特に食事における血糖値の管理は重要そうですね。
高血糖と呼ばれる状態は、アミロイドβを増やしてしまうことが分かっているのです。
つまり血糖値が高い人、いわゆる糖尿病の人ほど認知症になりやすいようです。(久山町研究)
血液がドロドロだとゴミが溜まる
こちらも京都大学の研究グループで証明されているようです。
ちなみにドロドロの血液の原因は、中性脂肪や悪玉コレステロールとされています。
中性脂肪や悪玉コレステロールは、血管中に溜まってしまうことで、血の巡りが悪くなり脳へも影響してしまうのです。
血液をサラサラにしておくことも認知症の発症を抑える大切な要素なのです。
- オリーブオイルや魚に含まれるEPA・DHAなどの良い油を摂取する
- バターやマーガリンの摂取量を減らす
- 肉に偏った食事をしない
活性酸素がアミロイドβを増やす!
長生きの天敵とされる活性酸素がここでも出てきます。
活性酸素が増えると、アミロイドβの蓄積も促進されることに加え、アミロイドβ自体が活性酸素を作り出すと言う研究報告もあるようです。
良いことなしです。少なくとも下記のような習慣は避けましょう。
- 紫外線を浴びすぎる
- 喫煙
- 環境汚染
- 強いストレス
- 加工食品の食べ過ぎ
認知症の種類と主な症状
- 記憶障害 記憶が失われていきます
- 理解力・判断力の障害 判断力の低下、2つ以上のことができなくなります
- 見当識障害 時の流れに関する感覚が薄れ、自分の年齢がわからなくなります
- 実行機能障害 物事をスムーズに進められなくなります
- 感情表現の変化 状況判断できず、感情を剥き出しにするようになります
日本人も高齢化が進むとともに認知症の人数も増加しているようです。
若年性認知症という病気(65歳以下)もあるので、若いから大丈夫というわけではないでしょう。
脳にゴミを溜めない生活がいかに大事かが分かるかと思います。
脳のおそうじスープとは?
脳のゴミを発生させない溜めないための食事が、脳のおそうじスープです。
脳のおそうじスープは、1日最低1杯、長く飲み続けることで、効果を体感できるもの
脳のおそうじスープに含まれる栄養素はこちらです。
- DHA・EPA 血液のサラサラ効果を期待
- α-リノレン酸 血管のクレンジング効果を期待
- レシチン 記憶力や集中力の向上、抗ストレス作用
- アスタキサンチン 抗酸化力が非常に強い
- γ-オリザノール 血行を良好な状態に維持
- タンパク質 三大栄養素であり、体の組織の材料
- セサミン 抗酸化作用と悪玉コレステロールの除去
- リン 組織や細胞に不可欠のミネラル
- ビタミンB群 栄養素の吸収をサポートする
この本には、具体的なスープの作り方などがイラストベースで記載されており、とても分かりやすくなっています。
具材毎に成分や栄養素まで解説されているで、脳に良いとされるスープが視覚的にも理解しやすいこともポイントですね。
@感想
認知症は怖い病気なので、今からできることはやっておきたいですね。できることは非常に簡単。主には、普段の食生活の質を変えていくだけです。結局は食生活です。人間の体は、全て普段の食事から成り立っているので当然と言えば当然かもしれません。訪れて欲しくない未来のために、今から適正な食生活が大切というわけです。
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