老化と密接に関わる事象として「酸化」と「糖化」が知られています。
今回は、これらを解説していきたいと思います。
「酸化」と「糖化」について

分かりやすくいうとこういう事です。
- 酸化 → サビ
- 糖化 → コゲ
りんごを剥いてそのままにしておくと茶色っぽくなりますが、その現象が「酸化」です。
「糖化」はまんまコゲです。
食材を焼いた時や熱した時にできる茶色くなる現象や黒っぽいものを指します。
ちなみにこの糖化によって変性したタンパク質をAGE(終末糖化産物)といいます。
またそれぞれが原因と考えられる病気があったりします。
例として下記のようなものが考えられますが、それぞれが互いに連動しあいながら老化や病気の発症に関わっているのです。
酸化
- 老化
- 炎症
- 脳卒中
- パーキンソン病
- がん全般
- 高血圧
- 糖尿病
- 肥満
- メタボリックシンドローム
- ぜんそく
- しみ・しわ
- 自己免疫疾患
- 痛風
- 蓄膿症
- 頭痛
- 不眠症
- 便秘
- 口内炎
糖化
- 脳梗塞
- アルツハイマー型認知症
- 脱毛
- 皮膚の老化
- 肌荒れ
- メタボリックシンドローム
- 糖尿病
- 心筋梗塞
- 骨折
- 骨粗鬆症
- 筋力低下
- 性機能障害
酸化のメカニズム
人間の体における酸化は、呼吸で取り込んだ酸素が関与します。
呼吸で体内に取り込まれた酸素は、ほとんどがミトコンドリアによって活動するためのエネルギーに変換され、水と活性酸素というものを排出します。
この活性酸素が酸化の原因です。
排出された活性酸素は、吸い込んだ酸素の2~3%程度と少量ですが、これが老化や様々の病気の原因となるのです。
糖化のメカニズム
正常なタンパク質は弾力があり、みずみずしい存在です。
筋肉をイメージすると分かりやすいかもしれません。
タンパク質は、必要に応じて新陳代謝して再生する能力があり、皮膚が約1ヶ月、血管は15年くらいかけて全て新しく生まれ変わります。
糖化が起こると、もとのタンパク質が持っていた働きやみずみずしさが失われ不健康な状態になります。
例えばタンパク質として代表的なコラーゲン繊維で解説すると、コラーゲンは肌や血管の弾力性や柔軟性を維持する重要な役割を担っています。
糖化された食品(AGE)を摂取し、体内で増えることによって、コラーゲン繊維はAGEとおかしな形で結びついてしまいます。これによりコラーゲンは変性・劣化し、硬くなってしまうのです。
糖化は、このような事象が体中の組織で起こることにより、機能が低下し老化へとつながっていくのです。
最も注意すべきは、これだ!

糖化と酸化が協力して行う代表的な悪い行為が動脈硬化です。
動脈硬化とは、動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態。血管内腔にプラークがついたり血栓が生じたりして血管が詰まりやすくなることです。
血管は心臓から送られる血液を全身に届ける最大の臓器です。
健康な血管こそが生活習慣病を防ぐと言っても過言ではありません。
では、糖化と酸化が動脈硬化とどのように関わっているのでしょうか。
大まかな流れはこのようになります。
- 血管が糖化によって老化すると弾力がなくなり硬くなる
- 血管は血液をうまく流す事ができなくなり、血圧が高くなる
- 血管の内皮細胞が傷つきやすくなる
- 傷に異物が入り込み、アテロームというこぶをつくる
- このアテロームが酸化した悪玉コレステロールである
- 血管の弾力低下、こぶにより血管が狭窄することで動脈硬化へ
またこのこぶは、やわらかくちぎれやすいため、破片が飛んで血管をふせぐこともあります。それが脳の血管で起これば脳梗塞、心臓の血管で起これば心筋梗塞の原因になる血栓になるのです。
動脈硬化によりさまざまな病気に結びついてしまうので、気をつける必要がありますね。
(e-ヘルスネット:厚生労働省、不老長寿大全 人生の後半を生き抜く18の鉄則)
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