最近になり、栄養価の高さが評価され、健康食としても話題になってきた「ナッツ」。
ダイエット効果もあると言われていますが、実際のところどうなのでしょうか。見ていきましょう。
そもそもナッツとは?

私たちが食べているナッツ類は、ほとんどが種実類と呼ばれるもので、名前の通り木の実や種の一部を食用としています。ちなみにピーナッツは厳密にはナッツではありませんが、一般的にはナッツと認識されています。
ナッツは健康食としても知られる地中海食でも主軸を担っており、地中海食に関する調査研究でもダイエット効果のある食品であることが分かっています。(Mozaffarian Dほか.N Eng J Med 2011)
この研究では、ヨーグルトや野菜、くだもの、全粒粉穀物もダイエット効果があると示唆されており、ナッツもこれらと並び効果があると言われているのです。
ただ意外にもダイエット効果があると認識されていないことも実情です。
その理由として、カロリーの高さがあります。
代表的なナッツの100gあたりのカロリーは下記の通りです。
- カシューナッツ 553カロリー
- ピスタチオ 560カロリー
- アーモンド 579カロリー
- ヘーゼルナッツ 628カロリー
- ウォールナッツ 654カロリー
- ピーカンナッツ 691カロリー
- マカダミアナッツ 718カロリー
- (ピーナッツ) 673カロリー
ご覧の通りなんとなくカロリーが高い気がしますが、カロリーが高いからといって太りやすいわけではないのです。その秘密は成分にあります。
ナッツの成分と栄養価

ナッツの標準的な成分は下記の通りです。
主成分
- 脂肪:43〜67%
- タンパク:8〜22%
- 糖分:0.6〜4%
- ポリフェノール:0.2〜0.4%
その他の成分
- ファイトケミカル
- ビタミン、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、葉酸、カリウムなど)
- 食物繊維
- 一価不飽和脂肪酸(オレイン酸がメイン)
- 多価不飽和脂肪酸(マカダミアナッツを除きリノレン酸がメイン)
- 飽和脂肪酸(少量)
このようにナッツの成分の半分は脂肪なのですが、これが全部身体につくのかというとそうでなく、むしろ痩せるのです。
この理由は、不飽和脂肪酸(オレイン酸やリノレン酸)が含まれることがポイントです。
不飽和脂肪酸とは、植物や魚の脂に多く含まれるもので、肉の脂に代表される飽和脂肪酸とは別物です。肥満の原因となったり血中の悪玉コレステロールを増やして心筋梗塞などの循環器系の病気を招いたりするのは主に「飽和脂肪酸」と呼ばれる種類の脂質なのです。
また、カルシウム、カリウム、マグネシウムといった慢性的に不足しているミネラルも豊富に含まれており、まさに天然のサプリメントといえます。
ナッツの健康効果

ナッツを食べ続けることによって期待できる作用は、非常にたくさんあります。
1、ダイエット効果
・食欲が抑制される
→不飽和脂肪酸が食欲を抑制するホルモンを分泌すると考えられています。
・エネルギー消費を促進される
→植物性タンパク質やオレイン酸は「熱産生促進」効果があることで知られています。余分な栄養が溜まりにくくなります。
・食物繊維のさまざまな作用が働く
→食物繊維の効果はご存知の通りです。腸内環境を整え、ダイエット効果が高まると考えられます。
2、血糖値の改善
不飽和脂肪酸、ポリフェノール、食物繊維による過剰な栄養の吸収抑制などの効果と考えられています。なので血糖値改善にも効果的です。
3、悪玉(LDL)コレステロール値の改善
ナッツを食べることでコレステロール吸収の抑制、コレステロール合成に必要なHMG-CoA還元酵素の阻害、LDLコレステロール値などの改善が期待できます。
4、中性脂肪値の改善
ナッツに含まれる成分による余分な栄養分の吸収抑制や体重減少、糖代謝改善効果などが複合的に関与し、中性脂肪値が改善されいます。
5、血圧の改善
ピスタチオやミックスナッツに血圧改善効果が認められています。成分に含まれるポリフェノールなどが関与していると考えられています。
このようにナッツは健康食として非常に優れています。
ナッツはダイエット食品としても優秀で、おやつをナッツに変えるだけでも効果を感じることができるでしょう。
最後に、注意点をご紹介します。
- 食べ過ぎは良くありません
- 素焼きで無塩のものを選ぶ
- 酸化していない新鮮なものを
小腹が空いておやつの誘惑に負けそうになる時とか、間食するときなどはおやつ代わりに食べてみましょう。健康維持のためにも、是非ナッツを食生活に取り入れていくことをおすすめします。
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