運動をすることが、ほぼ全ての人が理解していることと思います。
ただ、面倒くさかったり、やりたくなかったりと感じられている方も多いのではないでしょうか。
運動と健康、そして老化についての関連性を考えていきたいと思います。
まずは運動の効果を知ろう!

人間の筋力は、20〜30歳代でピークを迎えた後、加齢とともに徐々に低下し始め、30〜80歳代までに約30〜50%低下するとされています。
また、筋力および筋量が低下する割合は、50歳前後までは小さいのですが、それを超えると徐々に大きくなっていきます。事実、「老化は足腰から」といわれているように、上肢よりも下肢の方が加齢に伴う筋力の低下が著しいのです。
転倒などの怪我を防ぐためにも、筋力を維持することは大事ですね。
加齢に伴い、筋力は下肢(下半身)から低下していく!
また、運動の効果は身体的な問題だけではないとも言われています。
アメリカの脳科学者のウェンディ・スズキ氏は、運動はストレス軽減、集中力、生産性、記憶力向上に加え、創造性を向上させる効果もあると述べています。
要するに運動は神経系(記憶や集中力)との関連性も示唆されており、運動には私たちが創造性を発揮する際に使う脳の領域を強くするとも考えられています。
ただこの分野はさらなる研究が必要な状況です。
今後、研究が進めば、より運動の重要性が具体化するかもしれませんね。
有酸素運動って健康に良いの?

健康のために有酸素運動をしよう!と思っている方も多いのではと思います。
そもそも有酸素運動とは、ジョギングやウォーキング、サイクリングや水泳など、一定時間を継続して行う運動のことです。
- ジョギング
- ウォーキング
- サイクリング
- 水泳
- エアロビクス
有酸素運動は体脂肪をエネルギー源として使い燃焼させるため、内臓脂肪も同様に減少させることができます。
内臓脂肪量が減少することでアディポサイトカインという炎症物質の分泌も減少するため、高血糖、脂質異常、高血圧、動脈硬化の予防・改善につながります。
なので有酸素運動には、様々な生活習慣病の原因を予防・改善する効果があります。
有酸素運動のメリット
脂肪燃焼効果や心臓血管系の疾患リスクの低下など
ただ、偏ったやり方によって、逆に心臓血管や筋肉、関節に負担をかけてしまうこともあるので注意が必要です。
米国の研究で、ランニングをする成人・しない成人を対象に、15年間の心臓血管疾患発症リスクを追跡した調査があります。これによると、走らない人に対して週1〜2回走る人のリスクはおよそ半分となり、週3〜4回でもほぼ同等の成果でした。
一方で週5回以上になると、徐々に発症リスクは増大していったのです。
この結果から、ランニングを例とした場合、初めは週1〜2回から、習慣としては週3回程度が最も疾患予防の面からメリットがあると考えられます。
ただ運動の効果については、運動の強度によっても異なるようです。
- 軽中等度の有酸素運動の場合は、週5日程度
- 高強度の有酸素運動の場合は、週3日程度
- 軽中等度と高強度の有酸素運動を組み合わせた場合は、週3~5日
が推奨とされています。
もちろん有酸素運動だけでは、必要な筋肉トレーニングができません。健康的に長く続けるために、筋力トレーニングとストレッチなども行うことがおすすめです。
理想としては、一つの有酸素運動のみを継続するのではなく、複数の有酸素運動を交互に行うことです。それにより、筋肉や骨格、関節の負担を分散させ、バランスの良い健康維持につながります。
目的は運動することじゃなく健康に生きること!

運動には様々な種類がありますが、必要な筋肉や骨格の柔軟性、負担の蓄積から来る関節障害などを予防することも大切です。
自分に合った有酸素運動を無理なく続けていくことが最も大切です。
これは一つの考え方ですが、運動することを目的にしてしまうとなかなか続かないことも多いかと思います。
なので運動することを目的にするのはやめましょう。
目的は、大切な人との時間や仕事を楽しみ、健康的に長生きすることにしてみてください。
運動に対する気持ちが少し楽になると思います。
どちらにせよご自身のライフスタイルにあった有酸素運動を実施していきましょう。
【参考:健康長寿ネット、厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』】
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