もはやタイトル通りですが、今回はカルシウムと骨の関係についてみていきたいと思います。
骨の形成に必要なもの

骨を強くしたいならカルシウムと一般的には言われます。
しかし、それは半分正解で半分間違いです。
たしかに骨の主成分は、カルシウムですが、カルシウムを摂るだけでは骨は強くならないからです。
骨にはカルシウムの他に下記のような成分があります。
- ビタミンD
- ビタミンK
- マグネシウム
- リン
これらのうちどれかが不足していると、カルシウムを摂っても、それを効率よく吸収・利用することができません。骨は弱くなり、骨粗鬆症になってしまいます。
結局はバランスが大事なのです。これらの成分がバランス良く摂取できる食生活を普段から心がける必要があります。
サプリメントが有効な場合もありますが、メインの栄養素は食事から摂取するようにしましょう。サプリメントはあくまで不足分を補う目的で使用するものです。
運動と日光浴も大事

骨を強くするには、運動と日光浴も重要です。
運動は、筋肉ではなく骨に荷重がかかるような運動がいいでしょう。
- ウォーキング
- ジョギング
などの簡単なものです。何なら立っているだけでも骨にとっては良いでしょう。
長期間無重力で過ごす宇宙飛行士が、宇宙船の中で毎日トレーニングを行なっていても、帰還したときには相当な骨密度低下を起こしていたというのは有名な話です。
骨を強くするためには、日光浴も重要な要素となります。紫外線を浴びることにより体内でビタミンDが作られ、カルシウムの吸収を促すからです。1日15分以上は外で日光を浴びることが良いとされています。
以上のように骨を強くするにはカルシウムの摂取だけでなく、様々な要素が必要になります。
バランスの良い食事、適度な運動、日光浴。これらを普段から心がけ、簡単に折れない強い骨を作りましょう。若いうちに丈夫な骨が作られていれば、加齢とともに骨密度が低下しても、骨粗鬆症にはなりにくくなります。
ただし、閉経後の女性はホルモンバランスの崩れから通常よりも骨密度が低下しやすく、骨粗鬆症を発症しやすくなります。定期的に骨密度検査を受け、数値が悪い場合には、早めに対策を始めることも大切です。
結局牛乳は骨を丈夫にするのか?

カルシウムと聞くと牛乳が真っ先に思いつく方も多いと思います。
「牛乳は良質なタンパク質を多く含み、カルシウムも豊富で骨にも良い」なんてのもはや神話です。
そもそも牛乳は、牛の母乳であり、仔牛を養うための完全栄養食です。
なのでヒトにとっては最適ではないことは明らかで、下記のような懸念があると言われています。
- 母乳よりもタンパク質の量が3倍程度多い
- タンパク質の種類が違う(牛乳はカゼイン、母乳はホエイ)
- カゼインは腸の炎症を引き起こす
牛乳は、カルシウムの摂取についても最適とは言えません。
上記でも述べたように、カルシウムを摂取しただけでは効率的に吸収することができません。特にマグネシウムと協力して体内の恒常性を保つと言われています。
そのため、バランスの悪い牛乳を多飲するとマグネシウム不足を引き起こし、カルシウムが骨に沈着できず骨以外の組織で石灰化や結石を起こしやすくなります。
また、牛乳は体内で酸を多く産生する酸性食品です。体内に入ると、体はカルシウムを骨から引き出して中和しようとし、その結果、骨は弱くなります。
実際、乳製品をほとんど摂取しない国では骨粗鬆症が少なく、逆に摂取の多い人に骨折率が高いことが知られています。
結果としてカルシウム摂取のためにも、骨を強くするためにも牛乳は最適とは言えないかもしれません。
牛乳に頼らずとも、骨を丈夫にする食品はたくさんあります。
- イワシ、ししゃも、しらすなどの小魚
- 小松菜、春菊、ちんげん菜、モロヘイヤなどの緑の濃い野菜
- 海藻
健康は一日にしてならず。日常生活の中でこれらをしっかりと意識して、丈夫な骨を作っていきましょう。
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