この本では、後悔しない人生を送るために、知らず知らずに壊れてしまっているかもしれない「腎臓の機能」について深く学ぶことができます。
著者は、AGE牧田クリニック院長で糖尿病専門医の牧田善二先生です。
40年間医療の現場に立ち、35年間腎臓病治療の研究を続けた牧田先生のあらゆる知見が詰まった一冊になっております。
普段から健康に気を遣い、真面目に生活されている方でも、腎臓の声は聞き取ることが難しいのが現状です。この本を読むことで、自分の健康を守り、健康意識をこれまでよりも一段高いステージに押し上げることができると思います。
それでは、この「医者が教える最強の解毒術」について、本記事では一部内容の要約と感想を述べていきます。
「医者が教える最強の解毒術」の要約
人生100年時代、これからの健康は「何を摂るか」より「いかに毒素・老廃物の排出機能を守るか」で決まります。
「高血圧」「動脈硬化」「糖尿病」「心疾患」「脳血管」「がん」「AGE」など健康を脅かすあらゆるリスクを劇的に低下させるために何ができるでしょうか。
充実した人生を目指すために重要なことは、「腎臓の解毒機能」を少しでも高く維持することです。
現代は働き盛りの世代を中心に、この重要な機能が壊れかけている人が激増しています。
自覚したときには、もはや修復不能になり、手遅れなのです。
この本では、腎臓機能にフォーカスし、解毒できない体になってしまう理由や解毒能力向上のためにできることを多数解説されています。
間違いだらけの健康常識や健康長寿の方法について、学ぶことができる最強の教養書となっています。
健康寿命を妨げる裏ボスとは?

そもそも腎臓ってどんなことしてるの?
体の中でも非常に重要な臓器ですが、意外と地味なので知られていません。
腎臓は、下記のような機能を持っています。
- 老廃物や不要なものを尿から排出する
- 水分の調節
- 電解質の調節
- 体のpHの調整
- 血圧の調整
- カルシウムの代謝
- 赤血球の生成
腎臓は有害物質のような不要物だけを尿の中に捨てるという神業的な作業を行います。
なので腎臓とは、私たちの命を根幹から支える臓器であり、素晴らしい浄化システムでもあります。
また大腸とも密接に関わっており、腸内環境が悪ければ、腎機能が悪化し、腎機能が悪ければ腸内環境も悪化するというようなサイクルもあります。
腸の機能だけに気を使わず、腎臓にも心配りが必要なのです。


裏ボスの「慢性腎臓病(CKD)」を知ろう!
日本人の死亡率上位の疾患の背後には、裏ボスとして「慢性腎臓病(CKD)」があります。
慢性腎臓病になると死亡率が平均で4倍にも上がってしまうという報告もあります。
これは慢性腎臓病が、がんや心疾患に大きな影響を及ぼすためです。
慢性腎臓病(CKD)になると解毒能力が著しく低下してしまいます。
つまり慢性腎臓病にならないことは、私たちの健康寿命につながっていくので、今からできることをしていく必要があるのです。
例えば、
- 血圧や血糖値をコントロールすること
- 体重管理を実施し、塩分摂取量を減らすこと
- 適度な運動を実施し、水分を摂ること
など、当たり前のことです。
腎臓病を発症・悪化させる「AGE:終末糖化産物」という老化促進物質を溜めないことも重要です。
そして巷の情報に惑わされずに、しっかり科学的に生きることもポイントですね。
ちなみに、最近ではプロテインを見かけることも多くなりましたが、プロテインはタンパク質の過剰摂取になり、腎臓を悪くしてしまうこともあるそうです。
本来であれば、タンパク質は食事からで十分なのです。
また、デトックスで体の毒素を出すようなことも流行っていますが、解毒は発汗でできるものではないということも驚きですね。
どちらも趣味嗜好レベルです。

腎臓機能を知る3つの指標

3つの指標
- eGRR
- 血清クレアチニン値
- 尿アルブミン
そして慢性腎臓病で最も重要なことは、早く気づいて進行させないことです。
そのために下記のことを実施し、意識しておきましょう。
腎臓の状態が悪化していくと、最終的に人工透析になります。
一度透析になったら、死ぬまでに週3回、1回あたり5時間程度の治療を受け続けなければなりません。
とても大変ですね。
なので健康寿命のためにも、腎臓には気を使いながら生きていく必要があるのです。
最後に、尿アルブミン値が300を超えてしまったのに、これを治して透析にならないようにしてくれるお医者さんがどうしても見つからなかったら、牧田先生のクリニックへ一度相談に行くと良いかもしれません。
@感想
腎臓という臓器を軸に、様々な角度から医学的、科学的にまとめられた良書です。
医師ですら知らない人が多いとも言われているので、いろんな方に読んで欲しい本だと感じました。
健康を考えるときに、ついつい腸に注目してしまいますが、腎臓も大事な臓器であることを覚えておきたいと思います。
こんな方におすすめ
・新しい健康法を知りたい方
・健康に興味のあるビジネスマン
・高血圧や糖尿病予備軍で今後の人生が不安な方
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