日本には、数多くの健康食品が流通しています。
その中でも特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品については、保健機能食品とも言われ健康生活を送るためにも知っておく必要があるかもしれません。
ここではをトクホを中心に、栄養機能食品及び機能性表示食品についても概説します。
保健機能食品の種類
- 特定保健用食品
- 栄養機能食品
- 機能性表示食品
特定保健用食品 | 栄養機能食品 | 機能性表示食品 | |
認定方式 | 国による個別許可 | 自己認証 (国への届出不要) | 自己認証 (販売前に国への届出が必要) |
対象成分 | 体の中で成分がどのように働いているか、 という仕組みが明らかになっている成分 | ビタミン13種類 ミネラル6種類 脂肪酸1種類 | 体の中で成分がどのように働いているか、 という仕組みが明らかになっている成分 (栄養成分を除く。) |
マーク | ![]() | なし | なし |
特定保健用食品

特定保健用食品は、からだの生理学的機能などに影響を与える保健効能成分(関与成分)を含み、その摂取により、特定の保健の目的が期待できる旨の表示(保健の用途の表示)をする食品です。
特定保健用食品として販売するには、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受け、許可を得なければなりません。
ちなみに、「血糖・血圧・血中のコレステロールなどを正常に保つことを助ける」「おなかの調子を整える」「骨の健康に役立つ」などの保健機能の表示が許可されています。保健機能の表示は同じでも、関与成分の種類によっては作用機序が異なることもあります。
特定保健用食品についての分類
特定保健用食品
食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的 が期待できる旨の表示をする食品
特定保健用食品(疾病リスク低減表示)
特定保健用食品は医薬品ではなく食品であるため、疾病名の表示や病態の改善に関する表示はできません。しかし2005年に、関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されている場合には、疾病名の表示が認められるようになりました。
この新たな制度によって現在「疾病リスク低減表示」が認められた関与成分は「カルシウム」と「葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)」で、下記のように表示されます。
カルシウム
この食品はカルシウムを豊富に含みます。日頃の運動と適切な量のカルシウムを含む健康的な食事は、若い女性が健全な骨の健康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症になるリスクを低減するかもしれません。
葉酸
この食品は葉酸を豊富に含みます。適切な量の葉酸を含む健康的な食事は、女性にとって、二分脊椎などの神経管閉鎖障害を持つ子どもが生まれるリスクを低減するかもしれません。
特定保健用食品(規格基準型)
特定保健用食品としての許可実績が十分であるなど科学的根拠が蓄積されている関与成分については、定められた規格基準への適合性のみの審査で許可されます。
特定保健用食品(再許可等)
既に許可を受けている食品について、商品名や風味等の軽微な変更等をした特定保健用食品です。
条件付き特定保健用食品
特定保健用食品の審査で要求される有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認できる食品については、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として許可される特定保健用食品が「条件付き特定保健用食品」です。
栄養機能食品

人の生命・健康の維持に必要な特定の栄養素の補給のために利用されることを目的とした食品で、科学的根拠が充分にある栄養機能について表示することができます。
栄養素の名称と機能だけでなく、「日本人の食事摂取基準」に基づいた一日の摂取目安量(上限・下限量)や摂取上の注意事項も表示する義務があります。
例えば、「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。」などの表示で記載されています。
現在規格基準が定められている栄養素は下記のビタミンとミネラル、及びn-3系脂肪酸です。
ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンK・葉酸
亜鉛・カリウム・カルシウム・鉄・銅・マグネシウム
機能性表示食品

機能性を分かりやすく表示した食品の選択肢を増やすことを目的として、2015年に「機能性表示食品」が加わりました。
特定保健用食品と同様に保健機能を表示することができる食品です。
機能性の評価は、次の①、または②により行われることになっています。
①最終製品を用いた臨床試験
②最終製品又は機能性関与成分に関する文献調査(研究レビュー:肯定的な結果の研究論文だけでなく、否定的な結果の研究論文についても合わせて評価する)
健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表示するようになっています。
例えば、「△△にはヒアルロン酸Naが含まれます。ヒアルロン酸Naは肌の潤いに役立つことが報告されています。」「□□にはDHA-EPAが含まれます。DHA-EPAには中性脂肪を低下させる機能があることが報告されています。」などの表示で記載されています。
現在市場には無数のサプリメントが発売されていますが、購入するのであれば機能性表示食品が良いかもしれませんね。
最後に
特定保健用食品、栄養機能食品、及び機能性表示食品はいずれも医薬品ではなく、疾病の治療・治癒・予防等を目的として摂取するものではありません。
これらの食品の摂取に当たっては、食事からの栄養摂取や食生活の改善を基本とした上で、摂取するようにしましょう。
たくさん摂取すれば、より多くの効果が期待できるというものではありませんので、過剰な摂取には注意をしましょう。
ただ、特定保健用食品は国に認められた食品であり、数多くの健康食品の中でも信頼性は高いと考えられます。
健康食品を購入するなら、特定保健用食品、栄養機能食品、及び機能性表示食品のような商品を選ぶと良いと思います。
【参考:消費者庁 食品表示企画】
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