「肥満」という言葉からはすぐに逃げたくなりますね。
今回は、心を鬼にして「肥満」に向き合ってみたいと思います。
肥満とは?

まず初めに、肥満には2つのタイプがあります。
内蔵脂肪型肥満
- 男性に多い
- 上半身が太る
- 内臓脂肪が多い
皮下脂肪型肥満
- 女性に多い
- 下半身が太る
- 皮下脂肪が多い
ちなみに内臓脂肪とは、小腸から吸収された栄養分を肝臓に蓄積している脂肪のことで、内臓の周囲にべったりはりついています。血圧や血糖値に対する悪玉度は内臓脂肪の方が高いと言われています。
このことは、男性の方が女性よりも高血圧や糖尿病の患者数が多いことにも関連しています。
そもそも肥満の何が問題かというと、それは生活習慣病へ直結してしまうことです。
生活習慣病は、本人が気づかないうちにじわじわと進行することが特徴です。血圧や血糖値が高い状態を10年、20年と放置することによって、いつのまにか血管がボロボロになって、詰まったり切れやすくなったりするのです。
生活習慣病は、サイレントキラーとも知られていますが、唯一、はっきりと目に見えるのが肥満です。
腹回りが大きいことは、生活習慣病のわかりやすいバロメーターです。
腹回りが大きいことは、すなわち中性脂肪が溜まっていることを意味し、下記のようなリスクがあります。
- インスリンの働きを阻害
- 悪玉コレステロールを上昇
- 血圧を上昇させる
そもそも中性脂肪とは、飢えなどの緊急事態に備えて蓄える脂肪です。現代社会では、飢餓を想定する必要はありませんが、長時間にわたって食事ができない状況や、激しい運動をするときに消費して体力を保つ働きを担っています。
多すぎる中性脂肪は、血液の状態を悪化させます。
余分な中性脂肪は、減らすに限ります。
中性脂肪がどんどん増える

中性脂肪はどこにでも溜まるわけではありません。
脂肪が収まる脂肪細胞に溜まっていきます。脂肪が増えると脂肪細胞が大きくなりますが、それには限度があります。
限度を超えると複数の細胞に分裂します。
脂肪細胞が増え、たくさん集まると脂肪組織となります。
- 皮下にある脂肪細胞が集まったものが皮下脂肪組織
- 腸間膜や内臓の合間にたまるものが内臓脂肪組織
一度増えた脂肪細胞の数は減ることがありません。
ダイエットに成功して脂肪細胞が小さくなっても、数は変わらないので再び溜まりやすいといえます。
問題児「異所性脂肪」
健康に悪影響を及ぼす脂肪は、皮下脂肪と内臓脂肪と考えられてきました。
しかし、日本人によくあるような肥満が少ないのに生活習慣病が多いという事象だとこれだけでは説明ができないということもあります。
そこで注目されたのが、異所性脂肪なのです。
異所性脂肪は、主に下記のような臓器につきやすいことがわかっています。
- 心臓
- 膵臓
- 肝臓
- 骨格筋
肝臓に脂肪が溜まってしまうと脂肪肝になったり、膵臓に脂肪が溜まってしまうと糖尿病を悪化させるなどを起こします。
また筋肉にまで脂肪が溜まってしまうこともあります。
筋肉への脂肪蓄積は、検査だけでは発見できないということもあり、非常に問題だと考えられています。
それぞれの脂肪の特徴を知り、無駄な脂肪を増やさない生活を送っていきましょう。
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