食塩は和食だけでなく、多くの料理に欠かせない調味料の一つだと思います。
塩分の摂りすぎは、生活習慣病の第一歩になりかねません。
食習慣の改善など、決して難しいことばかりではありませんので、無理せずできることから気長に取り組んでみると良いと思います。
普段の食事から塩分とりすぎなんです!
食塩は、栄養素で言うとナトリウムです。
ナトリウムは体の水分量などを調整する大事なミネラルです。
しかし、摂取しすぎると血圧が上がり、その結果脳卒中や腎臓病などを招いてしまいます。
日本人は、とくに食塩のとりすぎと言われています。
これは、日本人に馴染みのある醤油や味噌など、よく使う調味料に食塩が含まれているものが多いためです。

日本人の1日あたりの食塩摂取量の平均値は、約10〜12gみたい!!
- 男性 目標とすべき1日の食塩摂取量は7.5g未満
- 女性 目標とすべき1日の食塩摂取量は6.5g未満
- 6g未満(高血圧や慢性腎臓病の方)を推奨
- 5g未満を推奨
ご覧のように、団体によって結構差がありますね。
人が必要とする塩の量は1日1.5gと見積もられているといった情報もあったります。
どちらにせよ私たちは塩分を摂り過ぎなのかもしれません。
塩分の摂りすぎは、高血圧や動脈硬化につながる?


血管は、血液の量が増えると血圧が上昇し、動脈硬化が進みます。
血管内に水分を送り込み、結果として血液の量を増やす大きな原因の一つがナトリウム、つまり食塩です。
塩分が多い食事は高血圧を引き起こし、減塩が高血圧に良いと言われるのはこのためです。
高血圧によって引き起こされる病気には、心疾患や脳卒中などの重篤なものから、認知症や腎疾患、眼疾患など日常生活を脅かす病気に至るまで多岐に渡ります。
日常生活をより豊かにするために、高血圧をいかに回避するかがとても重要です。
食塩を摂りすぎると、ナトリウムによって血圧が上昇し、高血圧や動脈硬化につながる
若いときは、血圧はさほど上がってこないのですが、年齢を重ねてからは加速度的な血圧上昇に悩まされることもあるので、できる限り早く意識していくことが大切です。
高血圧を予防しながら生活しよう


野菜や果物には血圧を下げる働きのあるカリウムという栄養素が多く含まれています。
なので野菜や果物は、積極的に食べるよう心がけましょう。野菜は生のままで食べるよりも加熱すると「かさ」が小さくなり、容易にたくさん食べられるので、加熱して食べるのもおすすめです。
肥満になることにより血圧は高くなります。原因となる過食を防ぐため、常に腹八分を心がけて食べるようにしましょう。
週1回くらいは体重を確認する癖をつけるといいかもしれません。
過度の飲酒は、高血圧の原因となることが分かっています。
飲酒習慣を有する方の許容飲酒量は1日当たり日本酒1合程度と考えられ、週1日以上の休肝日は設けるようにしましょう。
高血圧を予防することは非常に重要ですが、血圧を下げすぎると脳卒中や腎臓の機能悪化のリスクが増えるとされており、低ければ低いほど良いというわけではありません。
あくまでも適切な血圧を維持するという意識をもつことが大切です。
- 野菜や果物からカリウムを摂取しよう
- 肥満にならないようにしよう
- 飲酒量はほどほどにしましょう
減塩思考で生活しよう!


食塩の摂取を減らす(減塩する)には、まずは食塩の多い調味料を控えること、同じく食塩の多い加工食品の摂取を減らすことが、最も効果的です。
減塩すると食事が美味しくなくなると思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
酢や柑橘類の酸味・香辛料・香味野菜を上手に取り入れると美味しく減塩食を食べられます。
また、めん類のスープやだしを全部飲んだり、味付けを確認しないままに卓上調味料を料理にかけたりすることを控えるだけでもかなりの効果が期待できます。
そして、年配になるほど食習慣を変えることは難しく、とくに塩味を薄くすることには、多くの方が苦労するようです。「病院食は不味い!塩気が少なくて味がしない!」と言われるのは、このような理由のためです。
日本人は、日常的に食塩を摂りすぎていることを頭にいれて、減塩思考生活を実施してきましょう。
若い時期から塩分の少ない食事を心がけたいですね。
塩にまつわる間違いやすい情報に注意!
質のいい塩
質のいい塩を摂れば、血圧は上がらない?と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
それは、良くない考えかもしれません。塩は塩です。
質の良い塩とは例えば、、、、
- ヒマラヤの岩塩
- 自然の塩(天然塩)
- ブランド塩
- 高価な塩 etc
このような塩は、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルが比較的多めで、美味しく感じられるということが魅力と言われています。
ただ、質のいい塩であっても、ほとんどの成分は塩です。減塩に関してはあまり意味がありませんのでご注意を。
濃口と薄口
減塩を実践されている方も少なからずいると思いますが、正しい減塩情報を身に付けましょう。
たとえば醤油は、濃口より薄口の方が、塩分が低いとよく誤解されています。
しかし実際は逆です。
また、主菜・副菜に対する塩や醤油を控えているから減塩成功と考えている人もいますが、麺類などにはそれ自体に塩分が含まれており、かまぼこなどの加工食品にも塩分が多く含まれています。
たとえ減塩しているつもりでも、実は減塩できていなかったなんてことも多々あります。
昨今の研究では、塩分過多は高血圧のリスクだけでなく、それ自体が心血管疾患や腎疾患のリスクを高めることが報告されています。
さらに減塩は、高血圧患者以外でも血圧低下の効果があることも指摘されています。
健康診断や病院で高血圧を指摘される前から、正しい減塩を心がけ、健康生活を実践していきましょう。
【参考:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト、一生役立つきちんと分かる栄養学】
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